出雲、全日本と連続2位で箱根に臨んだ国学院大は総合4位だった。

初優勝はならなかったが前田康弘監督(44)は「未来は明るいな、と思える試合だった」と手応えを口にした。来年度の第100回大会もさることながら、最大のターゲットはその次の101回大会。今回も主力の一角として活躍した2年生世代が最上級生となる年を、青学大の原監督ばりに「『101回目のプロポーズ大作戦』でいきたい」と見据える。

その“大作戦”を担うのが、2年生コンビの平林清澄と山本歩夢。平林は今大会、エース区間“花の2区”を任され、6人抜きでチーム順位を12位から6位へ引き上げた。直後の3区でたすきを受けた山本は、順位をさらに2つ押し上げ、自身は区間5位。ともに起用に応える走りをみせた。

文字どおり、切磋琢磨(せっさたくま)してきた2人。平林が「バチバチな練習をしている」と言えば、山本も意識していることを隠さない。練習中の息づかいまで観察。「(平林の呼吸が荒くなると)『よし、自分の方が余裕があるぞ』とつい思ってしまう」とグラウンドでは気遣いを一切排除し、しのぎを削ってきた。

そして練習を終えれば、寮の部屋で膝をつき合わせ、陸上談議に花を咲かせる。山本は「平林が『一緒に国学院を上げていこうぜ』ってずっとしゃべり続けて。あいつは熱い。僕はいつも、そうだねってうなずくだけ」と笑う。ライバルでありながら友情は厚く、絆は固い。肩を組み、“大作戦”遂行の核となる。【奥岡幹浩】