大会5日目(31日)は、トラック&フィールドの種目がお休み。唯一、行われるのが女子20キロ競歩だ。前回ベルリン大会では渕瀬真寿美(25=大塚製薬)が、歴代日本人最高順位となる7位入賞を果たした。今大会にはその渕瀬と、日本選手権を制した大利久美(26=富士通)、川崎真裕美(31=富士通)の3人が臨む。連続入賞なるか-。01年世界陸上男子20キロで7位入賞を果たした、山梨学院大陸上部の柳沢哲コーチ(40=株式会社協和)に、その可能性を探ってもらった。

 「コースは陰が差す所が1カ所もないことから、気温がレースを左右するでしょう。そうなると勝つのはおそらくカニスキナ(ロシア)でしょう。いえ、言い切りましょう。他のロシア勢はタイムでカニスキナを上回りますが、涼しいレースで出したもの。カニスキナは07年の大阪大会も08年の北京五輪も勝ち、暑さを苦にしない。暑さには絶対の自信を持ってます。

 日本の3人には入賞、いやメダル争いをするぐらいの意識で臨んでほしい。力はあるから、メダルを意識したレースをすれば、限りなく(メダルに)近づくと思います。

 川崎は世界陸上3回目、五輪も2度出場の経験者。スピードに対する恐怖心もないし、質の高い練習を積めているようです。まだ世界舞台で入賞がなく鼻息も荒いでしょうが、いまさら慌てることもない-という自信もあるはずです。大利はここ1~2年で急成長しました。フォームも安定し、2人にも勝ったことで、練習を見てても自信に満ちあふれています。入賞といわずメダルを意識してほしい。渕瀬は今季前半こそ調子を落としていましたが、試合を重ねるごとにタイムを伸ばしている。直前合宿も順調なようです。

 競歩3種目の中で一番、期待しているのが、この女子20キロ。結果を楽しみにしています」。