2年連続賞金王の今平周吾(28)が、アベ80台を目指すアマチュアゴルファーにヒントを伝授する「ゴルフステップアップ 今平周吾 賞金王の技」。今より1歩上を目指すアマチュアにアドバイスを送ります。今回はドライバー編として、今平プロの技を紹介します。
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ショット、アプローチ、パッティングと全てにおいて、男子ツアー屈指の安定力を誇る今平。ドライバーは身長165センチと小柄ながら平均290ヤードオーバーの飛距離に加え、とにかく曲げないストレートボールが武器だ。その秘密は「インパクトゾーン」にある。
今平 腰から腰までのインパクトゾーンで真っすぐ動かすことだけを意識しています。いかにフェース面を管理してスクエアにインパクトをするか。それが一番重要視しているポイントです。
今平といえば、クラブを短く握ることが特徴的だが、一般的には距離が落ちるともいわれる。だが、これを否定。アマチュアにもメリットがあるという。
今平 距離は変わらない。僕の場合、長く持つと逆に振り遅れて距離が落ちちゃう。アマチュアの方もボールとの距離も短くなるし、ミート率も上がると思います。
44・75インチモデルをさらに短く握って290ヤード以上飛ばしているが、現在、市場に流通しているドライバーは45・5~46インチが多い。アマチュアの曲がりや飛距離ロスの一因は、この長さにもあると分析する。
今平 長いとミート率は下がるでしょうね。(芯を食えば)距離は出るかもしれませんが、真っすぐ打ちにくいと思います。長いクラブを1インチ短く持って打つ方が、方向性も良くなって、飛距離も伸びるかもしれません。
ドライバー自体を短くしてしまうとどうなるのだろうか?
今平 1回試したことがありますが、距離が落ちてしまいました。短くして長く持つのと長いのを短く持つのでは、クラブのバランスの関係だと思いますが、距離が変わってしまいます。だから、長いままです。
アマチュアにとってドローとフェードの打ち分けは至難の業。だが1歩上を目指すなら挑戦する価値はある。今平はどう打ち分けているのだろうか?
今平 クローズドスタンスでインサイドアウトならフックだし、オープンスタンスでアウトサイドインならフェードですよね。スイング軌道で球は曲がる。カット軌道で絶対にドローはしません。スイングがどうこうではなく、インパクトゾーンでフェースがどう動いていたのかを考える方がわかりやすいと思います。
プロはどれくらいカットすればどれくらい曲がるということを練習で身体になじませている。
今平 アマチュアの方は練習できる時間も限られると思うので、どれくらい曲がるではなく、フックとスライスを打ち分けられればいいと思います。
あくまでも「インパクトゾーンありき」を強調する。
今平 どこに上げるとかの単体ではなく、インパクトゾーンでどう当てるかが重要。例えばドローを打ちたいとなると、フェースがかぶる必要があります。そうなるとテークバックをインサイドに引かなければならない。スイングは流れなので、自分は腰から腰でどう当てるかを重要視していて、そのためにどこに上げたらいいかで考えています。軌道だけを考えればもっと簡単にコントロールできるような気がします。
◆今平周吾(いまひら・しゅうご)1992年(平4)10月2日、埼玉県生まれ。08年埼玉栄高校1年時、松山英樹らを抑え日本ジュニアで優勝。翌年高校を中退して渡米、IMGゴルフアカデミーで2年間腕を磨く。帰国後、11年にプロ転向。チャレンジツアー賞金王の資格で出場した15年シーズンに初シード獲得。17年「関西オープン」で初優勝、現在ツアー4勝。マスターズに2年連続出場。昨年初の予選突破を果たし、イーブンパー44位タイ。165センチ、67キロ。
◆取材・構成=川田和博
◆撮影=山崎安昭
◆協力=飯能グリーンCC(埼玉)