ゴルフレッスン面恒例の対戦企画は、大里桃子プロ（24＝伊藤園）に元広島のプロ野球選手で2021年全日本ミッドアマ8位の実力者、前田智徳氏（51）が挑む。舞台は千葉・グレートアイランド倶楽部インコースのトーナメントティー（3302ヤード）で、ハンディなしの9ホールマッチプレー。スポーツインダストリーゴルフスクールダイレクター新井真一プロ（59）はMCと解説を担当。2ホール終わって大里プロの1アップ。前田氏の反撃はあるのか？（以下、敬称略）

大里桃子プロが前田智徳氏と対戦

10番は大里がパー、前田が3パットのボギーで大里が取った。11番はお互いパーで、マッチは大里の1アップ。迎えた12番は157ヤード、パー3。この日はピンまで160ヤードとなった。

新井　ここの注意点はどんなところですか？

大里　2段グリーンになっていて傾斜が結構強いので、できれば同じ面に乗せたいのですが、あまり攻めすぎると奥に行って難しくなってしまいます。ピンポジションが難しい位置に切ってあって、クラブチョイスが難しいです。

新井　しかも風が右からなのか、フォローなのか、ちょっと読みづらそうですね。前田さんはどのように攻めますか？

前田　前田さんはもう、あれですよ。大里プロが打って、それを参考にするのみですよ！　私ができるのはそのくらいです。

新井　でも、上の段には行きたいですよね？

前田　行きたいですけど、パター同様なかなかね、突っ込めないので…。こう見えて弱気なタイプなので。

新井　では真ん中狙いですかね？

前田　大きなことは言えないので…。

ティーイングエリアで「迷う～！」とクラブ選びに悩む大里。風が回っているようだ。5ユーティリティー（26度）を手にすると2クラブレングス下がってティーアップ。打った瞬間「いや～飛ぶな！」で、グリーンに着弾すると「うわ～デカい」と声が漏れた。

前田　攻めましたね～！　オジサンをいじめにかかりましたね。

大里　マッチプレーなので攻めてみたけど、攻めすぎました。

前田氏の第1打

大里のティーショットはグリーン左奥のラフ。前田は8番アイアンを選択。「これでは届かないと思うんだけど…」で、打った瞬間に右手が離れた。

前田　あっ、あっ、ちょっとこれ、カットしてもらっていいですか？

前田のティーショットはハーフトップ気味だったが、またもやピン手前10メートルにオンした。

前田　実力以上のものが出ればと思ったけど（スイングが）速かった。右に置いてパンチショット気味に打ちたかったけど…。

新井　いつもしっかりめに打つタイプですか？

前田　大きいクラブを持ってゆっくりだと緩んでしまうんです。迷った時は短めでしっかり打ちます。

大里　私は大きめを持ちますが、成功率は正直低いです。なので、キャディーさんに止めてもらいます。アマチュアは1人なので大変ですよね。

大里の第2打はピンまで13メートルラフでグリーンは下り傾斜。58度アプローチは着弾後、想像以上に走った。結果はピンを2メートルオーバー。

大里プロの第2打

前田はバーディーパットだが、10メートルの上り。

前田　これをどうやってプロのマークよりも内側につけるかですが、自信がない。今日は距離感が出ないので、もう破れかぶれでいきます！

前田氏の第2打

そう言って放ったパットがショート。「もう、ひどい。ちょっとなんとかしてよ！」と弱音が出たが、大里のマークよりはわずかに内側についた。

第2打をショートし、あちゃー

新井　グリーンがぬれていますから。

前田　それも分かった上で打てない。プロ、どうしたらいいですか？

大里　カップを見ながら素振りをしてイメージを作るといいかもしれません。

前田　はぁ～、同じことを3回もやっています。

大里は2メートル上りでわずかにフック読みのパーパットだったが切れずにカップ右を通過。タップインもボギー。

第3打を外し、舌を出す大里プロ

前田はほぼ同じ距離＆ラインからのパーパット。

前田　参考にはなったけど、この距離を打てるかが問題。自信がないんです。

だが、これを沈めパーとした。

第3打を決めた前田氏

前田　同じような状況を3回やっていますからね。個人的には毎回0・5多い気分なので、ボディーブローのように効いてどこかでダボをたたきそう。マイナス思考なのですみません。

いろいろとぼやきながらもパーセーブの前田が12番を取って、マッチイーブンに戻した。いよいよ、前田の反撃が始まるか？

　

左から元広島カープの前田智徳氏、新井真一プロ、大里桃子プロ

◆前田智徳（まえだ・とものり）1971年（昭46）6月14日、熊本県生まれ。熊本工から89年ドラフト4位で広島入団。91年に外野のレギュラーを獲得し、優勝に貢献。95年5月、右アキレス腱（けん）断裂の大けがも、翌96年開幕戦から戦列復帰。07年に通算2000安打を達成。13年に引退。ベストナイン、ゴールデングラブ賞を各4度受賞。右投げ左打ち。通算2188試合、2119安打、295本塁打、打率3割2厘。現役時代は176センチ、80キロ。