女子ゴルファーの永井花奈プロ(22=デンソー)が「アベ100切り」のポイントを教えるレッスン。基礎編として、今回は「目標への構え方」についてです。右利きの場合、多くのアマチュアゴルファーは右を向く傾向にあります。どうしたら目標に対して真っすぐ構えられるのか? 永井プロが気を付けているポイントを紹介します。

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こんにちは~! 永井花奈です。今回の目標に対する構え方は、プロでもかなり気を付けているポイントです。やり方は人それぞれですが、私の合わせ方を紹介します。

私が大切にしているのは、ボールを後ろから見て、遠くの目標に合わせるよりも、近くの物に合わせるようにしています。近くの物に合わせる方が簡単ですし、正確性も上がりますよ!

実際に狙う目標とボールを結んだ大体2メートルくらい先に芝や落ち葉などのスパット(アドレスの基準となる目印)を探して、そこにクラブで合わせます。そこで私は1度素振りをしていますが、スパットを見たままスタンスに入って、ショットをしています。

遠くの目標でなく、近くの物に合わせるのはティーショットに限らず、アイアンも、パターも同じです。

左が正しいスタンス。右は右足が開いてしまった悪い事例
左が正しいスタンス。右は右足が開いてしまった悪い事例

右利きのアマチュアの方は、右を向いてしまう方が多いと思います。目標に対して真っすぐ構えられない方の中には、足を開く時に右を向いてしまう方もいます。スパットを探してクラブで合わせるまでは問題ないのですが、スタンスを取る際、左足はいいのですが、右足を開く時にやや後ろに引いてしまって、結果的に右を向いてしまうという方が見られます。なので、スタンスを取った後、近くの目標に対して右足と左足のつま先が平行になっているかを意識してくださいね。

練習場でも1球ごとに狙う場所を変えて、その目標に対して近くのスパットを探して、スタンスを作るということを意識するのもいいでしょう。

目標に対して真っすぐ構えられないと、せっかくいいショットをしても目標の方向には飛びません。真っすぐ構えるには、遠くの物でなく、なるべく近くに目標を見つけて構えると良いでしょう。ぜひ、やってみてください!

◆右を向いてしまうのは目線が原因?

アマチュアの8割が右を向いている。そう指摘する専門家もいます。その原因は目線にありそうです。スタンスを設定しようとして右足を後方に引いてしまうのは、遠くの目標を見ながらだと目線が右を向いてしまうためにありそうです(※図)。これを解消するためにも、近くにスパットを設定し、少なくともスタンスを決めるまで、目線はそのスパットを見ていた方が誤差は少なくなるでしょう。

◆なぜ右を向いてしまうのか?

そもそも人間の目は構造上、目標物に対して正対して見るようにできています。しかし、ゴルフの場合、打ち出す方向に対して顔は垂直になります。その状態から目標を見ると斜めから見ることになり、右利きの人は右を向きやすいといわれています。つまり、構造上、右を向きやすくできているのです。「ナイスショットをしたのに右に出た」と感じたら、自分が右を向いていたと疑ってみるといいでしょう。

◆永井花奈(ながい・かな)1997年(平9)6月16日、東京都生まれ。アマチュア時代は12年「ロレックスジュニアゴルフチャンピオンシップ」12~14歳女子の部で優勝。13、14年は「関東女子ゴルフ選手権」を連覇。14年にはナショナルチーム入り。16年7月、プロテスト合格。17年にツアー初優勝を果たすと、賞金ランク20位に入りシード権を獲得。昨年も36位で3年連続のシード権確保。所属はデンソー、契約クラブはヤマハ、ボールはタイトリスト、ウエアはMARK&LONA、シューズはecco。趣味は映画観賞。155センチ、55キロ。


取材・構成 川田和博

撮影 鈴木正人

協力 飯能グリーンCC(埼玉・飯能市)