女子プロゴルファー永井花奈(23=デンソー)が「アベ100切り」のポイントを教えるレッスン。今回は試合前、練習場でのルーティンについてです。その日の状態確認やウオームアップなど、さまざま意味のある試合前の練習場ですが、永井プロのメニューを紹介します。

こんにちは、永井花奈です! 今回は試合前の練習場で、私がルーティンとしている内容を紹介します。練習なしにいきなりティーショットを打つのは、ゴルフはもちろん体にも、決していいことではありません。特に今のように寒くなるとなおさらですよね。

練習場でまず私が手にするのは、58度のウエッジです。20ヤードを打つ時のグリップ位置で、最初は右手だけの片手打ちで、腰から腰までの振り幅を打っています。この時の左手ですが、私は右手の肘をおさえています。片手打ちで重要なのは、手首を使うのではなく、体全体で打つことです。

右手だけの片手打ちのときは左手で右肘を押さえます
右手だけの片手打ちのときは左手で右肘を押さえます

その後、同様に左手だけで打ちますが、この時の右手は、私は下ろしたままの状態です。ここも手首を使うのではなく、体全体で打つことが重要です。最後は両手で打っています。

試合では100ヤード以内のウエッジを重要視していて、それが自分のプレースタイルにもなっています。距離感と感覚はその日の体調によっても変わってくるので、48度、52度、58度の3本のウエッジでどれくらいの振り幅、強さで50ヤードまたは100ヤードを打てるのかをそれぞれ確認しています。全部で20球くらいですが、これは日によって多くなることもあります。

その後は9番アイアン、7番と番手を上げていきますが、特にその試合のショートホールでよく使うことになりそうな番手は、しっかり練習しておきます。スプーン(3番ウッド)、ドライバーと打っていき、最後は7番アイアンに戻ります。この時の7番は、練習場のマットのラインに合わせるのではなく、そのラインを無視した目標を決めて、そこにしっかり構えられているかを確認するようにしています。これを5球くらい打った後にパッティンググリーンでパター練習をしています。

ラウンド前の練習場では、その日の出玉傾向などさまざまな自分の状態を確認できます。ラウンド前に練習しない人もいますが、私はした方がいいと思っています。方法は人それぞれですが、私のルーティンが参考になれば、ぜひ試してくださいね!

◆ラウンド前練習の目的 ラウンド前練習と普段の練習は全く意味が違います。前者の主な目的はウオームアップで、後者は技術取得です。ラウンド前練習は体を慣らすことやその日の調子や出球傾向の確認が目的になるので、ムキになって球数を打つ必要はありません。また、移動時の車の運転や同乗しているだけでも、同じ姿勢を取り続けることで筋肉は固まります。練習は一切しないという方もいますが、特に寒くなった冬ゴルフでは、けが防止のためのストレッチも兼ねてラウンド前練習がオススメだし、練習をしないとしてもストレッチはしておきたいですね。


◆永井花奈(ながい・かな)1997年(平9)6月16日、東京都生まれ。アマチュア時代は13、14年「関東女子ゴルフ選手権」を連覇。14年にはナショナルチーム入り。16年7月、プロテスト合格。17年に樋口久子・三菱電機レディースでツアー初優勝を果たすと、賞金ランク20位に入りシード権を獲得。昨年も36位で3年連続のシード権確保。所属はデンソー、契約クラブはヤマハ、ボールはタイトリスト、ウエアはMARK&LONA、シューズはecco。趣味は映画観賞。155センチ。

◆取材・構成 川田和博

◆撮影 狩俣裕三

◆協力飯能グリーンCC(埼玉)