みなさ~ん。とうとうこの日がきてしまいました。1年間、毎週火曜日にご愛読いただいた「タケ小山のゴルフ即効薬」ですが、なんと、今週が最終回です。テーマは「ボールと自分を見つめ直そう」。次のステップへ向けての大きな1歩になる話です。1年間お付き合いありがとうございました。残念ながら、今回の連載は今週で終わります。でも、タケ小山はみなさんがこれまで以上に、ゴルフを楽しんでくださることを心から祈っています。また会う日まで、アディオス!


自分のプレースタイルに合ったものを選ぶことが大切
自分のプレースタイルに合ったものを選ぶことが大切

 「ヘタクソだからボールの違いなんてわからない」。「ボールなんてなんでも同じ」。アマチュアの方からよく聞く言葉です。でも、これじゃダメ。あれ? なんか聞いたような話だな~と気が付いたアナタ、正解です。「クラブへの投資でスコアが“買える”」の回(2月6日付)でも同じことを言いましたね。ゴルフは道具を使うスポーツ。ルールの範囲内で自分に最適のクラブとボールを選ぶのは、上達の大前提です。

 とにかく、自分のプレースタイルに合ったものを選ぶことが大切です。と、言っても、各メーカーから売られているたくさんの種類のボールの中から自分に合うものを見つけるのはなかなか難しい。まず、最初に選ぶのはボールの硬さ。スイングスピードが速ければ硬い物を、遅い人は柔らかいボールを選べばいいのです。

 なぜそうなるか? 簡単に言うと、インパクトでたたかれたボールは多かれ少なかれ形が崩れます。つぶれる、という言い方をするのですが、それが元に戻る力が反発力となり、飛んでいく。だから、スイングスピードの速い人はボールをつぶすから硬い物、そうでない人はつぶれやすい柔らかい物を選ぶといいのです。

 もちろん、テクノロジーの発達した今、こんな単純なことばかりではありませんが、基本として頭に入れておいてください。次に考えるのは、自分がどんなゴルフをしたいのか、ということです。「飛ばしたい」のなら、スピンの少ないディスタンス系を「飛ばなくてもいいからグリーン周りで勝負したい」というなら、スピンの入りやすいスピン系を選ぶことです。

 ひとつだけ忘れてはいけないのは、自分に合ったボールを選ぶことで、自分のゴルフをするようになる。これが上達につながるということです。合ったボールを使ったから、飛距離が伸びてうまくなる、と勘違いしないでください。ボールの初速は主にあなたのヘッドスピードで決まります。ただ、一定の条件下(R&A内規)でその最大値は決められているため、出せる初速には限度があります。それにできるだけ近い数値が出せて、自分のゲームスタイルに合ったボールを探す。それが一番です。


今週の処方箋

己の球を知れ!

 【服用法】ボールをターゲットに運び、最後はカップに入れるのがゴルフというスポーツ。大事なボールを「何でもいい」なんて言わないで、自分に合ったものをしっかり選ぼう。

連載ついに完走!1年間ありがとうございました
連載ついに完走!1年間ありがとうございました

 ◆タケ小山(こやま)本名・小山武明。1964年(昭39)7月7日、東京都生まれ。中大卒業後、プロゴルファーを目指して89年に渡米し、フロリダ州のゴルフ場所属プロとなる。米、カナダ、オーストラリア、アジアなどのツアーでプレー。07年に帰国し、日本ツアーに参戦。08年に早大大学院でスポーツマネジメントを学ぶ。ザ・ゴルフチャンネル、ゴルフネットワークなどでのトーナメント解説には定評がある。TBS系「サンデーモーニング」の「屋根裏のプロゴルファー」として知られる。InterFMの「Green Jacket」(土曜午前5~8時)、文化放送の「The News Masters TOKYO」(月~金曜午前7~9時)などに出演。


◆協力 越谷ゴルフクラブ(埼玉県吉川市)

◆取材・構成 遠藤淳子(清流舎)

◆撮影 山崎安昭