女子15~17歳の部で菅沼菜々(埼玉栄高3年)が初優勝を飾った。首位で出て3バーディー、5ボギーの75で回り、通算4アンダー215。第1日からの首位を守り続ける完全優勝だった。

 最終18番、菅沼はパーパットの手を震わせた。ウイニングパットの前に「緊張するタイプなので」とプレーの注意点を書き込んだヤーデージブックを1度見つめ、気持ちを落ち着かせた。直後に1メートルのパットを決め、初めて日本タイトルを奪った。「びっくりです。信じられないです」と気持ちを高揚させた。

 第1日から2日連続の70を出し、単独首位で迎えた最終日。前夜は緊張のあまり90分ごとに起きた。睡眠不足の影響か9~12番まで4連続ボギーをたたいたが、「あきらめなかった」。昨冬から約半年間、ゴルフから離れた。病院では無気力症候群に近い症状と診断された。練習しない日々を続けていたものの、5月にアイドルグループ「SexyZone」の横浜アリーナライブに足を運び、お気に入りの佐藤勝利(20)の勇姿を見て「いつか私もプロとして人を感動させてみたい」と再起を決意した。

 ヤーデージブックに入れる佐藤の写真は「最後のパットで見ました」と笑顔。両親からの「優勝副賞」は自室に設置するテレビの予定で「SexyZoneのDVDを見ます」。プロになって佐藤と対面する日を夢見て、腕を磨き続ける。【藤中栄二】

 ◆SexyZone佐藤(ジャニーズ事務所を通じてコメント) 優勝おめでとうございます! ライブにも来てくださったと聞きました。僕らが力になってると聞いて、とてもうれしいです! これからも、すてきなゴルフストーリーになりますように! 応援しています!!

 ◆過去の日本ジュニア女子15~17歳の部の上位 02年は横峯さくらが優勝し、宮里藍が2位。03年は宮里藍が優勝し、横峯が2位。05年は原江里菜が優勝し、2位は若林舞衣子、3位は有村智恵と国内ツアーの実力者が上位を占めた。06、07年は宮里美香が連覇。3日間競技が始まった10年は比嘉真美子が優勝し、香妻琴乃が2位。13年は堀琴音が制覇。14年は勝みなみ、16年は新垣比菜とアマ時代からプロツアーで好成績を出した2人がタイトルを手にした。