米山剛(52)がシニアツアー最多の5人によるプレーオフを制してシニア初優勝を飾った。真板潔(57)清水洋一(54)金鍾徳(56=韓国)スティーブン・コンラン(51=オーストラリア)と通算7アンダー209で並んだプレーオフ3ホール目でイーグルを奪い、シニア3年目で念願の優勝を成し遂げた。

 一番驚いたのは、米山だった。18番パー5(566ヤード)を繰り返すプレーオフの3ホール目、第2打を木越えにフックをかけた。3ホール目で切り直された左手前のカップにスルスルと向かい、ギャラリーから驚きの声。「30センチぐらいでしたから、本人が一番びっくり」と振り返った。

 09年コマツの4人を上回る史上最多による5人のプレーオフは、1ホール目で真板が脱落。「和やかなのに、打つ時はみんな勝負師だなと思った」という米山は、2ホール目に3人がバーディー確実の中で7メートルのバーディーパットを残した。「ダメもとで絶対ショートしない」と強気に決めた。生き残って劇的な幕切れにつなげた。

 シニア3年目。次代の中心選手として期待され続けてきた。「18年も優勝がないんで、実感湧きません」と、99年にレギュラーで2勝して以来の美酒に戸惑いもみせた。

 車で40分ほどの神奈川・南足柄市で練習場を経営している。「応援にもたくさん来てくれた。若いころは感謝できなかったけど、今は感謝でいっぱい。背中を押してくれた」と振り返る。45歳ぐらいからシニアのためにスイングを改造し、体の手入れもしてきた。「夢であり、目標だった」優勝を、やっとつかめた。