世界ランク3位の松山英樹(25=LEXUS)は同4位のジャスティン・トーマス(24)を3アンド1で撃破した。チームは11-19で敗れたが、今大会初勝利で自身3度目の大舞台を締めくくった。

 世界選手権シリーズ2勝を含む3勝を挙げてレギュラーシーズンで最もポイントを稼いだ松山と最多5勝を挙げて総合王者にも輝いたトーマス。世界のトップをうかがう実力者同士、必然の熱戦だった。1番からトーマスがバーディーで先手を取ると、松山は3番で巧みな寄せを披露して奪い返す。さらに松山は4番パー5で2オンに成功。トーマスがバンカーから“OK”の距離に寄せてバーディーとした直後に3メートルを沈めるイーグルで上回った。

 互いに譲らぬ展開を動かしたのは松山。ドライバーを大きく右に曲げた6番、前方に生い茂った枝も邪魔になる第2打をピンそば1・5メートルにつけるスーパーリカバリーでバーディー。リードを奪い、8番からは5連続バーディー。決着の17番までに1イーグル、7バーディーを量産して「久々にいいスコアですね。今できるベストなプレーができた。今できることの限界を出したって感じです」と振り返った。

 今季何度も優勝を争い、8月の全米プロでは最終日に2サム同組で回り、初のメジャータイトルをかけて戦ってきた相手。「みんながそう(宿敵だと)言ってますけど、僕は気にしてないんで」としつつ「やっぱり強いなという感じです」とも。この日も8バーディーを重ねた24歳は、手ごわい相手であることを再確認した。

 チームトップランカーのエースとして世界選抜を勝利に導けなかった悔しさは募るが、最後に意地は見せた。2週後のCIMBクラシック(マレーシア)から新たなシーズンをスタートさせる。昨年大会は2位。そして、優勝はトーマスだった。またすぐに熱い戦いが見られるかもしれない。