今季2勝の鈴木愛(23=セールスフォース)が賞金ランキング1位に浮上した。最終組で回った首位のフォン・シャンシャン(28=中国)を2打差で追走。通算13アンダーの2位から6バーディー、2ボギーの68で回り、通算17アンダー199で2位。シャンシャンに大会連覇を許したが、約1512万円を稼ぎ、賞金ランク1位だったキム・ハヌル(28=韓国)を逆転した。13年の森田理香子以来4年ぶりの日本人賞金女王へ、ぐっと近づいた。

 終盤まで追い詰めた。鈴木は最終組で一緒に回るシャンシャンとデッドヒート。2打差で追走し、16番のバーディー奪取で1打差に縮めた。18番パー4。先に2オンに失敗した世界ランク4位を横目に、残り161ヤードから6番アイアンで放った第2打は…無情にもグリーン手前の花道に落ちた。3オン2パットのボギー。1歩、届かなかった。

 「後半はバーディーチャンスについていたのに本当に入らなくて。腹立つわーと思って。とにかく優勝したかった」

 試合後、日本女子プロ協会の小林会長からクラブ選択の助言を受けた。鈴木も18番の第2打を反省し「もう1番手上(5番ユーティリティー)だったかな。『もう少し(選択を)詰めていけば簡単に勝てるようになる』と教わりました」。喜び半分ながら、2位で約1512万円の賞金をゲット。韓国ツアー出場で不在のキム・ハヌル(韓国)を抜いて、賞金ランクで1位に浮上した。

 「すごく良いプレーはできている。(残り3試合で)優勝するチャンスもあります」

 毎大会最終日は午後5時30分に更新されるツアー最新スタッツの確認がルーティン化。平均パット数にこだわる鈴木は1・7374以内の数字を目標に掲げるが、今大会終了時点では1位キープながら1・7553。「もっとパット練習が必要」。常に貪欲な姿勢で、残り3試合にラストスパートをかける。【藤中栄二】