石川遼(26=CASIO)は1バーディー、3ボギー、1ダブルボギーで連日の76をたたき、通算8オーバーの152で36ホールを完了した81人中79位に沈み、国内ツアー自己ワーストとなる5試合連続予選落ちを喫した。

 グリーンを外した4番パー3でバンカーショットがピンをオーバー。返しのパーパットがカップに蹴られてボギーが先行した。ドライバーショットが大きく右に出た10番でダブルボギー。そして最終18番パー5。ドライバーショットが右に出ると「あーあ…」。フィニッシュを取る前にため息を漏らした。第2打をグリーン左まで運んで唯一のバーディーで締めたが、心が晴れるはずもなかった。

 スイングの悩みは深い。「(ミスは)ほぼ、ワンパターンしかない。手元が早く下りすぎて(右に)プッシュアウト。ダウンスイングで腕の通り道がないというか、アイアンを打つ時は懐に余裕があって(ダウンスイングの時に腕が)いいところを通るようになってきている。ただ、それをドライバーでできるイメージが、今はない。自分の(スイングに)染み付いたもの(悪い癖)はかなり強いものだなと思うし、まだ練習が足りない」と分析する。

 理想のスイング追求が頭を占める中で「あまり試合の中に入り込めていない」と話すように、目の前のコースと対峙(たいじ)できていない現実がある。それでも最大の問題は練習場でできていても、コースに出ると悪癖が顔をのぞかせること。「試合は(本来)すごく楽しいもの。今までよりも何倍も試合を楽しむために今は必要な時間なのかなと思う。何回も勝てるようなショットを身につけないといけない。だから今(試合で)苦しくても頑張れる」。歯を食いしばって出続ける覚悟は変わらない。

 この日もやはり大勢のギャラリーが石川の組について歩いた。米ツアー出場権の喪失から国内5試合連続予選落ちという苦境で励ましの声が心に染みる。「ありがたみを感じます。今こうやってたくさんの方に励ましてもらったり、応援してもらったりということをこれから何倍にもして返せるようなゴルフを目指している。一番(の恩返し)は優勝かなと思う。そのために今、取り組んでいます」。試練は続くが、下を向かずにやり続けるしかない。