17歳の吉本龍斗(滋賀短大付高)が、完全優勝を達成した。1アンダーの首位から出て4バーディー、2ボギーの70で回り、通算3アンダーの141で初優勝。来年の国内ツアー、長嶋茂雄招待セガサミー・カップの出場権を獲得した。ドライバーの飛距離330ヤード超を披露した「松山2世」が、他を寄せ付けない力強さで頂点に立った。上位10人が、来年の日刊アマ全日本大会の出場シード権を獲得した。

 滋賀が生んだ「松山2世」だ。吉本が完全優勝を達成した。出だしの1番パー5でいきなり7メートルのバーディーパットを沈める。第1日は出場138選手中、唯一のアンダーパー。前半こそ1バーディー、2ボギーで通算イーブンとなったものの、後半に3バーディーを奪って突き放した。最終日のドライバー飛距離は330ヤード超。飛ばすだけでなく、10番で再び7メートルを沈めるなどパターも非凡なセンスが光った。

 「際どいパーパットが入ってくれたおかげで、最後まで崩れずにやることができた。優勝することが目標だったので、それが達成できて素直にうれしいです」

 タイで開催された大会に5日まで出場し、帰国したばかり。松山英樹に憧れ、将来的には米ツアー参戦を狙う17歳だが、現地の食事に苦戦した。「(香草の)ニオイがきつくて、チャーハンも食べられなかった。タイ料理は苦手です」と苦笑。4日間の大会は通算19オーバーと崩れ6位。「風が強くて難しかった。でももっと、安定したスコアを出せるようにしないといけない」と向上心は強い。

 母和美さん(42)が運転する車で全国を転戦する。姉七海(19)もプロテストを受験するゴルフ一家。和美さんは「中学生になった頃からプロを意識するようになりました。マイペースだけど(親から)言われなくても、自分で考えて練習をしている」と明かす。来年の国内ツアー、長嶋茂雄招待セガサミー・カップの出場権を獲得し「まずは予選通過を目指したい」。優勝をステップアップに、世界へと羽ばたく。【益子浩一】

 ◆吉本龍斗(よしもと・りゅうと)2000年(平12)5月23日、滋賀県高島市生まれ。7歳からゴルフを始め、滋賀・新旭南小時代の12年に関西小学生選手権で優勝。滋賀県ジュニア選手権は12、15年と2度優勝。湖西中から滋賀短大付属高に進学。国内ツアーは4試合に出場し、今年10月のマイナビABCチャンピオンシップで記録した70位が最高順位。ベストスコアは66。177センチ、82キロ。