賞金ランク4位の小平智(28=Admiral)が4バーディー、2ボギーの70で回り、通算11アンダーの205で首位と3打差の3位につけた。

 3、4番で連続バーディー。5番でボギーをたたいたが、直後の6番を取り返す。前半で2つ伸ばし、1打差で入った後半は苦しんだ。「グリーン上に(木の)影がたくさんあって、傾斜が読みづらかった。運も良くなかった」。5つのパーが並んだ後の15番、フックラインと自信を持って打ったパーパットがスライスして3パットボギーをたたいた。

 悪い流れの中で出た痛恨の1打にも、小平は表情を変えなかった。根底には、レッスンプロだった父健一さんの教育がある。「昔から親父に『喜怒哀楽を出さない方が(相手に)弱みが見えない』と言われてきた。ボギーを打っても平然として、すぐバーディーを取り返せば相手も怖い、と。だから、喜びもせず、悔しがりもしない。内面はメッチャ悔しがってますけどね(笑い)」。ライバルに打ち勝つためだけではない。「クラブを投げたりしたら、見ている方も気分が良くないじゃないですか」。父から受けた最初の教えを、今も忠実に守っている。

 感情を制御し、耐え忍んだ1日の終わりに「ご褒美」もあった。最終18番、ラフからの第2打。「芝をかんでしまったので、打った瞬間、(グリーン右の)池に入ったと思った」というミスショットが何とか残り、第3打を寄せてバーディー。今季2勝目へ望みをつないだ。「明日は、いかに前半で伸ばせるか。ガンガン攻めていきたい」。開幕前日のプロアマ戦に出場後、仕事のため1度会場を離れていた美保夫人もホールアウト後の練習に合流。2人で優勝カップを掲げるべく、逆転を狙う。