男子ゴルフの今季最終戦、日本シリーズJT杯(30日開幕、東京よみうりCC)のプロアマ戦が29日、同コースで行われた。

 今季3勝で賞金ランク3位につけ、今大会に勝てば逆転賞金王の可能性を残すチャン・キム(27=米国)はアクシデントに見舞われた。4ホールをプレーしたところで「腰が痛くて、まともにスイングができない」とプレーを取りやめた。この日はプロアマ戦ウエイティングの小鯛竜也(27)に交代してもらったが、棄権すれば本戦には出られないため、残る14ホールもその組について歩いて出場の可能性を残した。

 3週前の三井住友VISA太平洋マスターズでも9位と好スタートを切りながら腰痛で棄権。「3カ月休みなしでプレーしているので、その疲れがたまって今の状況だと思う」と表情を曇らせる。逆転賞金王がかかる目の前の試合も大事だが、今大会後には米下部ウェブドットコムツアーの最終予選会も控えているだけに無理はできない。「できれば両方チャンスなのでプレーしたいが、選手生命はまだ長い。自分の体を一番に考えたい」とした。

 欧米のツアーではプロアマ戦を棄権しても本戦には出られる。国内女子では1打だけでもプレーすれば、その後交代しても、本選出場を認めている。「トーナメントはスポンサーがいないと開催できない。プロアマは大切なゲストの方たちと一緒に過ごすため、プロとして最善の努力を尽くさないといけないことは理解している」と強調した上で言葉を選び、冷静に見解を示した。「軽い風邪ならプレーできるが、今回のように腰が痛くてスイングもできないというのは別次元のことだと思う。回復に長時間かかって深刻な事態になることも考えられる。トレーナーや医師に診てもらう、など何かの免除があってもいいのではという気持ちはある」。

 プロアマ戦を何とか“完走”した後、病院へ向かった。