日本人賞金女王の鈴木愛(23=セールスフォース)が勝負根性で優勝をもたらした。

 韓国との優勝決定戦(フォアサム・マッチプレー4試合)の第1試合に、元賞金女王上田桃子(31)とのペアで出場し、スタート1番で10メートルのバーディーパットを決めた。韓国ツアー賞金女王イ・ジョンウン(21)と同9位ベ・ソンウ(23)組に先制パンチを浴びせ、4戦3勝1分けの完勝につなげた。

 志願の第1試合だった。2日のシングルス後、練習場で思い立った。「第1、第2試合で負けたら、その後は意味なくない? それなら、最初からイケイケのタイプが行った方がいい」。勝ち点2ずつを奪い合う計4試合。勝つには機先を制さないとダメ。ミーティングで鈴木は第4試合と決まっており、メンバー表提出は残り15分と迫っていたが、全員に「私を最初に行かせてください」と順番変更を申し出た。結果は12番終了時点で6アップにして負けをなくし、3&2の快勝だった。

 ペアを組んだ上田も「(2日の)シングルスの最後に愛ちゃんが韓国選手に勝って、みんなのスイッチが入った。私と愛ちゃんが最初に頑張れば、後ろの組にもいい流れが作れる」。鈴木の提案が奏功したことを明かした。

 鈴木は会心の試合を振り返る。「桃子さんと、桃子さんのショットと私のパットで試合を作るイメージだったけど、結果的に2人ともアプローチが良かった。しのいでしのいで、チャンスをものにする形でいけた」。日本ツアーでは、4年ぶりに賞金女王のタイトルを日本勢に取り戻した。今度は、団体戦で2年ぶりに日本の優勝を引き寄せた。