宮里優作(37=フリー)が1イーグル、6バーディーの62で回り、通算15アンダーで今季4勝目、ツアー通算7勝目を挙げ、賞金ランク2位から逆転で初の賞金王に輝いた。現職選手会長としても初の賞金王。記録が残る85年以降では、00年片山晋呉に続くツアー史上2人目となるシーズン最終戦Vでの逆転タイトルだった。

 2番で1メートルを外して漂う不穏な空気を自ら振り払った。「退路を断って攻めていくぞ、と。うまく切り替えられた」。続く3番ですかさず2・5メートルを沈めると、4、5番はいずれも4メートルをねじ込む連続バーディー。6番パー5は残り221ヤードから4番アイアンで放った第2打がグリーン右の傾斜ではねてピン下1メートルにつくイーグルを決めた。前半だけで2位に6打差をつけ、勝利への流れを決定付けた。

 37歳での初戴冠はツアー史上3番目の年長記録。アマチュア時代から将来を嘱望された男だけに遅咲きにも映るが「ジャンボ(尾崎将司)さんや青木(功)さんも取っていて、選手として憧れがあった。一生に1回できるかできないか。逆に僕は自分では早かったんじゃないかと思っている。実際、プロに入ってみてこんなに取るのが大変なんだと思っていましたから。まだ、ちょっと信じられない」と重みを語る。

 逆転には優勝が必須という極限の状況に打ち勝ち、「達成感より解放感」で涙があふれた。これで終わりではない。14日に開幕するアジアツアー最終戦のインドネシア・マスターズ出場を予定しており、年明け1月もハワイで開催される米ツアーのソニー・オープンに参戦する。「まだまだ自分は伸びしろがあると思っている。毎年、うまくなりたい。4月のマスターズまでに世界ランクをどれだけ上げられるか。今はそれを念頭にやっていきたい」。賞金王の肩書とともに夢舞台へ乗り込むため、積極的に海外へ打って出る。