男子ゴルフの石川遼(CASIO)が、26歳110日の史上最年少で日本ゴルフツアー選手会長に就任した。年明けに前会長の宮里優作(37)から打診があり、5日の理事会で他の理事からも推薦されて受諾した。早速、大相撲の地方巡業をモデルとした新規ファン獲得のプランを披露。任期の2年間は米ツアー再挑戦も“封印”し、日本ツアーの発展と自身の復活に全力を注ぐ。

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 新年早々、予感めいたものがあった。石川は2日に千葉県内で小平智らと行った初打ちでホールインワンを達成した。「どんな年になっちゃうんだろう…」。翌日、スマートフォンに長文のメッセージが入った。送り主の宮里優は「フレッシュな選手にやってもらうことでゴルフ界が活性化するのではと感じた。石川選手しかいないな、と」と打診の経緯を振り返る。プロとしてのキャリアは10年を数える。抜群の知名度に加え、日米の豊富な経験。女子ツアー優勢の国内ゴルフ界にあって期待は大きい。

 かねて、協会全体を揺るがす事態になりながら九州場所が連日満員御礼だった大相撲人気に着目していた。「場所と場所の間に巡業でいろんな地方を回る。そういう活動が根付いてファンを獲得できている部分があると思う」。空き週を活用して男子ツアーが開催されない福島以外の東北や熊本などで2日間の試合を開催できないか。地域に根差すためにはプロアマ戦形式が理想だ。選手への負担は大きいが「国内のトップがそろわないと意味がない。僕が説得するしかない」。スポンサーや開催コースを確保する上で、自ら全国を飛び回る覚悟もしている。

 10年、20年先のゴルフ界を見据えた「種をまく」段階が出発点。米下部ツアーへのスポット参戦も取りやめ、日本ツアーの戦いと選手会長職に専念することになる。「1年でアメリカに戻れるほどの技術はないと思っている。自分のゴルフに対しても種をまく時期。(会長としては)未熟な点ばかりですが、熱い気持ちは誰にも負けない。ゴルフ界のために尽くしたい」と所信表明した。【亀山泰宏】