44位から出た世界ランク5位の松山英樹(25=LEXUS)は4バーディー、1ボギーでこの日ベストタイとなる69をマークし、通算5アンダーの283で12位だった。過去4度の出場で予選落ち2度と相性は決して良くないデータだったが、初出場の14年16位を上回る自己ベストとなった。

 1年ぶりのツアー復帰戦だったタイガー・ウッズ(42=米国)との同組。終始、優勝争いのような大ギャラリーがついて回る中で淡々とスコアを伸ばした。「こんな下の順位で回っていると、あんまりプレッシャーという意味ではないですけど…」と前日までのプレーを悔しがりつつ「今日はタイガー(ウッズ)と一緒だったので、ギャラリーがたくさんいる中で(いいプレーが)できたのはすごく大きかった」とうなずいた。

 スタートの10番で強めに打った6メートル強のバーディーパットがカップイン。ティーショットを大きく左に曲げた12番も第2打でグリーンまで運び、7メートルをねじ込んだ。「10番と12番で入ったことが大きかった」と振り返るグリーン上でその後も安定感を発揮し、合計24パット。パットの貢献度を示す「ストロークス・ゲインド・パッティング」はプラス4・163で全体トップだった。

 スイング修正に取り組むショットについても兆しを感じ取った。フェアウエーを捉えたのは5ホールだけだったが「曲がってましたけど、その中では今日が一番、今後につながりそうだなというのが感じられた。それ(いい感触)が明日になるとなくなっているかもしれないですけど、ちょっと、楽しみなことが増えたかなと思います」。数字には表れない好感触を得た。

 この日はパープレー、通算3アンダーで23位となったウッズとは昨年12月に行われたツアー外の慈善大会、ヒーロー・ワールドチャレンジ第3ラウンドでも同組で回った。「(ヒーロー・ワールドチャレンジの時と)雰囲気は変わっていますし、スイングとかも少しずつ変えているのかなという感じはある。2週間後(ウッズが出場を明言しているジェネシス・オープン)が楽しみだなと思います」と印象の変化を語る。ラウンド中にお互いのクラブをチェックしたり、2人で歩きながら話す場面もあり、実りある18ホールだったようだ。

 次戦は大会3連覇がかかるフェニックス・オープン(2月1日開幕、アリゾナ州)。「そこ(3連覇に挑める)までのレベルにいっていない」と相変わらず自分に厳しいが「今日良くなりかけたショットを修正できたら、パッティングが今のままうまくいけば、チャンスはあるかなと思います」とも言った。スーパースターとの競演でもしっかり存在感を示した松山が、2年連続でディフェンディングチャンピオンとしてアリゾナへ乗り込む。