バッバ・ワトソン(39=米国)が今季2勝目、ツアー通算11勝目を挙げた。

 準決勝では勝てば世界ランク1位に浮上するというジャスティン・トーマス(24=米国)を終始リードして3アンド2で撃破。決勝はケビン・キズナー(34=米国)相手にスタートから5ホールを連取するなど7アンド6で圧倒した。16年大会のジェーソン・デー(オーストラリア)とルイ・ウェストヘーゼン(南アフリカ)による5アンド4を抜き、決勝での大会史上最大差の勝利だった。

 「この勝利は自信になる」と喜んだ1勝は、15年HSBCチャンピオンズに続く世界選手権シリーズ(WGC)2勝目。メジャー、WGCでともに複数回優勝を飾ったのはアーニー・エルス(南アフリカ)ロリー・マキロイ(英国)フィル・ミケルソン、タイガー・ウッズ(ともに米国)に続く5人目の快挙でもあった。

 勝利直後は瞳を潤ませていたが、会見では徐々に独特のキャラクターが本領を発揮。2月のジェネシス・オープンで2年ぶりの復活Vを飾り、2度の優勝を誇るマスターズ(4月5日開幕、ジョージア州)直前でのWGC制覇。得意とする大舞台へ最高の弾みをつけたとの見方に「自分は本命じゃない。(マスターズの週は)集中させてくれないといいプレーができないから、話し掛けないでくれ」と笑わせた。さらに「タイガーが隣にいるとしても、いいプレーをすれば勝てると思っている。タイガーも『いいプレーをすれば、バッバに勝てる』と思っているだろう。メディアはうまくごまかすけど、選手はみんな(内心で)自分が一番だと思ってやっている」と、内に秘めた闘志の一端をのぞかせた。

 「ジム・フューリクが見ていてくれることを祈る」と、9月にフランスで開催される欧州選抜との対抗戦「ライダー・カップ」の米国チーム主将へのアピールも付け加えた。2年前は世界ランク7位ながらメンバーから漏れる悔しさを味わった。自己ワーストのポイントランク75位に終わった昨季から完全復活に向けた歩みは止まらない。