谷口徹（フリー）が最年長で「プロゴルファー日本一」の称号を手にした。１打差２位から出て３バーディー、２ボギーの７１をマーク。１８番のバーディーで通算６アンダー、２８２として藤本佳則（２８）とのプレーオフ（ＰＯ）に持ち込み、２ホール目のバーディーで勝負を決めた。５０歳９２日での日本プロ優勝は９６年尾崎将司（４９歳１０９日）を上回る大会最年長Ｖ。日本オープン、ツアー選手権を含め、５０代の日本タイトル戴冠も史上初。尾崎将が持つ５５歳２４１日のツアー最年長Ｖ記録更新を後押しする５年シードを獲得した。

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　谷口は「今までの優勝の中で一番ひどいゴルフ」と言いつつ「調子が悪いなら悪いなりに、ミスを最小限に抑えるようにプレーしていけばいい。パーをつないでいけば、今日みたいにミラクルで勝てる時もある」とうなずいた。これは若手に向けられた言葉でもあった。「ゴルフに対して貪欲さがない。ちょっと調子が悪いとダメ、みたいな」。

　２週前の試合で第３ラウンドを終えて単独首位に立ったツアー未勝利の２７歳秋吉が「トップ１０に入って丸刈りを回避したい」と話していたことを聞いた時は黙っていられなかった。「そんな位置にいるのに、何でトップ１０狙いやねん、と。『今から“優勝するまで丸刈り”って言い直して来い』って言いましたよ」。勝つためにベストを尽くし、その結果がトップ１０なら受け入れられる。「スポーツの世界で、それは謙虚にも入らない」。勝負師としての心構えを説いた。

　「小平くんの（米ツアー）優勝を刺激にもっと若手に出てきてほしい。どうしてこう難しいセッティングになったら、シュンとなって消えていくのか。もうちょっと、頭使わないと」。オフの合宿は続々と若手が参加を希望する名手の優勝会見には、日本ゴルフ界の次世代への愛があふれた。【ゴルフ担当＝亀山泰宏】

　◆谷口徹（たにぐち・とおる）１９６８年（昭４３）２月１０日、奈良県生まれ。１３歳でゴルフを始める。同大を経て９２年にプロ転向。９８年の三菱ギャランで初優勝。０２、０７年と賞金王。日本ツアー通算２０勝。ベストスコアは６１。生涯獲得賞金は１６億４３０３万６９０５円。１６９センチ、７２キロ。