新人の小滝水音(みお、19=静ヒルズCC)が日本人では史上初のツアー初出場初優勝に前進した。8位から出て6バーディー、ボギーなしの66で回り、通算11アンダーの133。首位と2打差2位のV圏内につけた。黄金世代ながらQT194位のため、予選会を突破して今大会が初のレギュラーツアー出場。独特なワイドスタンスのパターで上位に食い込んだ。

 無印の自称「雨女」が優勝争いに加わった。雨の降るコースで、小滝が3番パー3で4メートル、続く4番パー5で5メートルと、次々とバーディーパットを入れた。両足を肩幅よりも広げる独特のワイドスタンス。後半の11番パー3では右奥のカラーから10メートルを直接沈めた。前日に続くボギーなし。2日連続の60台は自身初だ。首位と2打差2位のV圏内に驚いたのは、本人だった。

 「信じられない。まだ上にいるうちに、リーダーボードの写真を記念に撮らないといけないですね」

 88年のツアー制度施行後、初出場初優勝を達成したのは10年アン・ソンジュ(韓国)だけ。日本人では宮里藍、佐伯三貴の4戦目が最速で、小滝と同学年の畑岡奈紗が5戦目で続く。勝みなみらと同じ昨年のプロテストに合格した黄金世代だが、今季は下部ツアー5戦に出場しただけ。4日の予選会で最後の1枠に滑り込んでの初出場に、有給休暇を取得してキャディーをする父賢太郎さん(43)は「どうせ予選で落ちると思ったら、通っちゃった」と笑顔だ。

 「狙ってできるものではないけれど、優勝できたらうれしいでしょうね」。茨城・ひたちなか市生まれで、清流の水のせせらぎをイメージして水音(みお)と名付けられた。遅れてきた黄金世代が、日本人では史上初の快挙へ前進した。【益子浩一】

 ◆小滝水音(こたき・みお)1998年(平10)7月7日、茨城県生まれ。7歳からゴルフを始め、中嶋常幸が主宰するアカデミーでは畑岡と同期。明秀学園日立高ではプロ野球DeNAの細川成也外野手と同学年。趣味は神社巡り。167センチ、65キロ。