日本ゴルフツアー選手会長を務める石川遼(26=CASIO)が「プロアマ」についての持論と選手の意識改革に向けた今後の構想を語った。

 5月30日に行われたツアー選手権森ビル杯の開幕前日のプロアマ戦で片山晋呉(45)がアマチュアの招待客に不愉快な思いをさせ、プレーを断念させたとして、日本ゴルフツアー機構(JGTO)は懲戒・制裁委員会で処分を検討している。石川は既に選手会長として謝罪のコメントを発表したが、14日に仙台市内で選手会による震災復興支援に関する福祉車両の寄贈式に出席した後、自らの思いを口にした。

 「僕自身、プロアマは“接待”という意識はなくて、ただ単に一緒にゴルフを楽しんでもらおうという気持ち。1日一緒にいる中で、あまり話さずに終わってしまったら、寂しいじゃないですか」と切り出し、熱っぽく続けた。「自分も楽しくなきゃ、相手も楽しくない。相手にだけ楽しんでもらうことはできない。同じ組にいる4人でその1日を楽しくできる一方、1人が個人的なことに走ってしまうと、1日が楽しくなくなってしまうことにもなりかねない。お互いに楽しくないということがあってはいけない、というのが1人のゴルフ好きとしての絶対的な思い、根源的な考えなんです」と言った。

 「ゴルフって、1人で回っても楽しくない。誰かと回るから楽しい。プロゴルファーって、その感覚がなくなってきてしまっているのかな。自分のことで精いっぱいになってしまっているのかな」と案じた上で、選手の意識改革を進める方策にも考えを巡らせる。「選手会とJGTOが協力して、誰かをお招きしたりして講習会をやる仕組みを作りたい」と具体的なプランを披露した。

 日本プロゴルフ協会(PGA)のプロテストに合格すれば「研修会で、なぜ自分たちがゴルフでお金をもらえているかが徹底的に勉強できる」。石川が思い描くのは、JGTOもQTで参戦する資格を得た選手に対し、組織的に教育をしていくシステムの構築だという。「僕らはゴルフで生活をしている。その生活しているお金は勝った相手から取っているわけじゃなく、トーナメントに対して、コンテンツとして価値があると思ってお金を出してくれる人がいるから。その価値が何で判断されるかといえば、ファンの数とか注目度。ファンが一番、根源にある。そこを共有していくことが、ファンサービスの向上、プロアマのホスピタリティーにつながっていく」。

 日本人選手に限らず周知徹底を図り、後の世代に引き継ぐ。試合数の減少傾向に歯止めをかけ、ツアーの質を高めていくためにも、地道な活動の必要性を感じている。