2打差5位から出た秋吉翔太(27=ホームテック)が9バーディー、1ボギーの64で回り、通算20アンダーの268で5月のミズノ・オープン以来となるツアー通算2勝目を挙げた。初Vからわずか28日。99年の日本ゴルフツアー機構発足以降で史上3番目の短い記録となった間には、全米オープンで通算19オーバーの148位で予選落ちする悔しさも味わった。2年ぶりの優勝を狙った石川遼(26)は17アンダーの3位だった。

 秋吉が全米から帰国した週のホスト大会で鬱憤(うっぷん)を晴らした。世界トップ選手も大苦戦の初メジャーは過酷だった。「あんなに楽しくないゴルフはない。人生で断トツ」と冗談めかすが「打ちのめされて自分の実力はこんなものかと分かった」。しっかりと結果を受け止めていた。

 課題と自覚するアプローチの練習場で海外選手を入念に観察した。「日本の選手はハンドファーストで打つ人が多いけど、海外選手はハンドレイトで上げる人が多かった」。この日の10番ではグリーン左からの第3打をフワリと上げて1メートルに寄せ、パーでしのいだ。

 優勝スピーチへ向かう直前、小田孔明から「『賞金王目指します』って言ってこい」とハッパを掛けられた。19オーバーの翌週に20アンダーで勝っても、ふと思うことがある。「全米最終日、(2位の)フリートウッドはあのコースで7アンダー(63)を出した。ああいう人たちが日本のコースを回ったらどうなるのか。未知の世界ですよね」。

 本当の意味で悔しさを晴らす舞台は7月の全英オープンだ。「最終日が28歳の誕生日なんです。何としても、4日間戦わないと」。視線は海外に向いている。【亀山泰宏】