男子ゴルフの宮里優作(38=フリー)が10日、欧州ツアーのスコットランド・オープン(12日開幕、ガレインGC)に向けた練習ラウンドを行った。

 谷原秀人、松山英樹、シュバンカル・シャルマ(インド)とのラウンドだったが、ウエッジとパターのみを持ってグリーン上とその周辺から打つだけ。あとはひたすらコースを歩いてチェックした。

 5月に途中棄権したBMW欧州プロ選手権から腰の痛みが慢性化している。前週アイルランド・オープンは第3日にホールインワンを記録するなど14位に入ったが「ドライバーのスタンスなんか“気をつけ”だもん」と苦笑したように、両足の間隔をあけて打つのも難しい状態だったという。「全然、ゴルフになっていなかったですからね。アプローチとパットで拾いまくって、奇跡みたいだった」と振り返る。

 次週は全英オープンが控える。メジャー前に無理が禁物なのは重々承知だが、今季から参戦する欧州ツアーでシードを確保するためには高額賞金がかかる「ロレックスシリーズ」を簡単に回避するわけにもいかない。「もうちょっと体が良かったらなーって思うのが、ここ1カ月、ずっと続いている。いいコースだし、いい試合だし、出ないのも余計悔しい。次、いつ推薦が取れるのかも分からない。出られる時に出ておかないと」。満身創痍(そうい)でも5連戦を組み、気持ちを奮い立たせている。

 痛みとの付き合いの中で、成長を実感する面もある。海外での戦いを見据えて5月からウエッジを1本増やすセッティングにしており「クラブはだいぶ仕上がってきた。下(のバリエーション)を分厚くして、すごく便利。(状態が)悪くても、(小技で)拾えるからスコアになる」。今週はまず、試合に出られる状態までもっていけるかが焦点となる。「ギリギリまで調整です」と静かに話した。