小平智(28=Admiral)が1バーディー、4ボギーの74で回り、通算1オーバーの285で35位だった。

 前日とは打って変わって強い風が吹く中でのプレーは「ショットというよりは、パターの影響が大きかった」。後半16番ではフックラインと読んで「完璧に打った」パットが、フォローの風で曲がらず、ボギーをたたいた。それでも、グリーンを外した17番ではしぶとくパーを拾うなど、随所で粘りを発揮した。

 初めて4日間を戦い抜いた3度目の全英。「今日もパープレーくらいでは回れたはず。(初めて全英で4日間戦えた)達成感より、もう少しできたっていう悔しさの方が全然大きい」と引き締める。一方で「ショットの感覚が戻ってきたのはデカい。アプローチ、パターの感じもすごく良くなっている。そこはプラスに捉えて、今日の課題は持ち帰って今後につなげたい」。2週後のブリヂストン招待(オハイオ州)、さらに翌週の全米プロ選手権(ミズーリ州)と続くビッグトーナメントでの飛躍を期す。

 取材に応じる間、ラウンド中のタイガー・ウッズ(米国)が首位に立つリーダーボードが目に入った。「同じ試合に出ているから、あまり言えないんですけど…」とした上で「1人のファンとしては、メチャクチャうれしいです」と素直に告白して笑った。「ボードでタイガーのスコアが伸びていくたびにギャラリーが『お~』ってなるんですよ。全英で復活優勝したら、超かっこよくないですか? 優勝してほしい!」。惜しくも願いは届かなかったが、憧れのスーパースターがメジャーの優勝争いに戻ってきた。そんな無邪気な喜びも、さらに上を目指すモチベーションになる。