最終組のシャウフェレの18番の第2打がカップに入らなかった瞬間、パット練習場のフランチェスコ・モリナリ(35=伊)から喜びがあふれた。決勝36ホールをノーボギー。同組ウッズの復活Vを期待する空気は察知していた。「明らかに注目は僕ではなかった。でも、それは僕のキャリアと同じだ」。チャンスホールの14番で最初のバーディーを奪うまで、ウッズからも「美しい」と称賛されたショートゲームで淡々とパーを重ねて混戦を制した。

 16日にコース入りした時、13年全英の舞台であるミュアフィールドを思い出したという。5年前は最終日を同組で回ったミケルソン(米国)が手にしたクラレットジャグを、今度は自分が掲げた。「フィルとの経験が大きかった。本当に長い旅だった。歴史ある大会に自分の名前が刻まれた。信じられない」。兄エドアルドとともに09年ワールドカップを勝った男は、世界最古のトーナメントで頂点に立った。