松山英樹(26=LEXUS)は2バーディー、ノーボギーの68で回り、2アンダーで首位と4打差の16位発進した。

 スタートの10番でグリーンを外すも、手前から打ち上げのアプローチを寄せきってパーセーブ。続く11番もティーショットをバンカーに入れてレイアップを強いられたが、4メートル強のパーパットを冷静に沈めた。「早速ボギーを打ちそうだったんですけど、耐えられた」。17番パー5はドライバーのティーショットでフェアウエーを捉え、花道からの寄せでやや距離を残しながら、これをねじ込んで最初のバーディーを奪取。折り返しの1番では残り148ヤードからの第2打をピッチングウエッジでピンに絡め、2つ目のバーディーを奪った。

 武器であるアイアンショットについて「評価するまでもないですよね。フェアウエーから打っているだけで、チャンスにも何もついていない」と言いつつ、終始どこか穏やかな雰囲気を醸し出していたのは、懸案だったドライバーショットの安定が大きかった様子。パー3を除く、14ホール中10ホールでフェアウエーをキープし「(ドライバーは)ずっと曲がってたんで、ほとんどフェアウエーにいってるのは評価したいと思います」と、うなずいた。

 全米プロまでの3試合は全て違うドライバーで戦ってきたが、今大会は前週投入したキャロウェイ「XR SPEED」を継続使用。そして、新たなルーティンも取り入れている。ショット直前、バックスイング方向に上げた手元を1度止め、胸の高さまで上げてから戻し、スイングに入る。体の動き、クラブの軌道にズレがないかを丁寧に確認してからショットに移行する一連の作業は、ホールアウト後の練習場でも繰り返した。

 前週ブリヂストン招待を39位で終えた時には「予選落ちすると思う」とこぼし、開幕前も「自分に期待していない」と話していた。内面の変化について「先週も3アンダーでスタートして、2日目が悪かったので。まあ、フェアウエーにいったから、その分(期待は増えた)かなって感じですね」。上々のスタートにも気を緩める松山英樹ではない。