今平周吾(25=フリー)が、正岡竜二(35)に8アンド6(6ホール残して8アップ)で完勝し、4強入りした。今季未勝利ながら出場13試合でトップ10が7度と抜群の安定感で賞金ランク1位を走る。待望のツアー2勝目へ、今日8日の準決勝では昨年ANAオープンのプレーオフで敗れた池田勇太(32)と激突する。

今平はミスしたホールで流れをつかんだ。ドライバーで右の池に入れた7番。ドロップして残り215ヤードから3番ユーティリティーでグリーンをとらえ、8メートルのパーパットをねじ込んだ。「気合が入りましたね」と、このホールから6連続奪取。最後は12番のチップインで一気に寄り切った。

未勝利で賞金ランク1位の裏には、確かな変化がある。かねて技術への探求心は旺盛だった一方で「体のこととか、あまり考えてこなかった」。16年には腰痛で試合に出られないこともあった。今季からお世話になる渡辺研太トレーナーには、初めて年間契約をお願いした。スイング改造中の現在は、右股関節などこれまでと違う箇所に張りや痛みが出ることがある。「なぜここが張るのか」「どんなトレーニングをすればいいのか」。体のメカニズムから理解し、パフォーマンスを高めようとしている。

質問攻めにあう渡辺トレーナーは「(スピードスケートの)清水宏保選手が『トップアスリートは体の筋繊維1本1本まで感じられる』と話していて驚きましたが、その勢いで勉強していますよ」と舌を巻く。知識を深めることで日々の変化にも敏感となり「連戦だとコンディションが落ちたりしていましたけど、安定してきています」と本人も手応えを感じている。

今季の成績を見渡し「安定して上にいるのはいいこと」と繰り返しつつ「優勝をいっぱいできる選手になりたい。とりあえず2勝目を」と本音ものぞかせる。プレーについて「不安(材料)は特にないです」。池田との対戦も「強い人の方が集中できる」。静かな自信がにじむ。【亀山泰宏】