元世界ランク1位のアダム・スコット(38=オーストラリア)が6バーディー、2ボギーの67で回り、4アンダーで首位と3打差の11位につけた。

4度目の出場となる日本オープンではこれまで14年が5打差9位、15年が4打差20位、16年は10打差75位というスタートになっており、首位と3打差は最高の滑り出しとなった。

いきなり連続バーディーを奪うと「最初の2ホールでいいバーディーパットが打てた。この感触のまま、今日はいこうと思った」。バッグに2本入れているパターから長尺タイプのみ握り続けた。グリーン周りの芝が刈り込まれているコースセッティングの特徴を生かし、長尺パターでの寄せも多用。「これまでの日本オープンは攻めすぎてトラブルになることもあった。無理せずフェアウエーを捉えることを意識した」と、ドライバーはパー3を除く15ホールで3回しか使わなかった。

13年にマスターズを制した元世界NO・1もここ2シーズンは未勝利で「キャリアでこれほど優勝から遠ざかったことはない」。6月の全米オープン前後からかつてのコーチで義理の弟でもあるブラッド・マローン氏とのコンビを復活させ、8月の全米プロでは久々の優勝争いを演じた。「結果が出ない自分をだまし続けるのは難しい。シーズン後半の結果は間違いなく自信となり、プレー内容にも表れている」とうなずく。

この日着用したのは、テニスのロジャー・フェデラー(スイス)モデルのポロシャツ。幼少期はゴルフと並行して打ち込んでおり「彼が全米オープンで着ていたものだよ」と、同じユニクロ契約プロとして加わったテニス界のレジェンドへのリスペクトを示す。同組で回ったアマチュアの中島啓太(18=東京・代々木高3年)はプレーに魅了されただけでなく「2年前の日本オープンで練習ラウンドを一緒に回ったことを覚えてくださっていた」と感激の面持ちだった。

うわさ通りのナイスガイぶりを随所に発揮しつつ「明日もこのコンディションなら、10アンダーまでは伸ばしたい。そうすれば、週末に向けて優勝争いに加われると思う」。しっかりと日本での初タイトルを見据えている。