稲森佑貴(24=フリー)が6バーディー、2ボギーの67で回り、通算11アンダーの202でツアー初優勝に王手をかけた。

ただ1人、3日間60台をそろえて単独首位に立った。1番で残り168ヤードから8番アイアンで“ベタピン”のバーディー発進。2番でティーショットを右のバンカーに入れたが、この日フェアウエーを外したのはこれが最初で最後だった。前日も第2打を池に入れた13番では再び池に打ち込んだ。グリーンを外したのはその13番と16番だけ。「全体的にティーショットが良くて、セカンドへのマネジメントが良かった」。フェアウエーキープ率、パーオン率ともにこのラウンドでトップだった。

5月の日本プロ選手権ではプレーオフに1打及ばず3位。最終18番、4メートルのバーディーパットをショートさせた。「あの時は悔しさしかなかった。(18番は)ほぼフラットでチャンスだったのに、攻め切れていなかった。チャンスの時は多少オーバーしても、返しを頑張って入れればいい」と自分に言い聞かせる。

「格式高く、僕の中で最もメジャー」という日本オープンで鮮明に覚えている大会がある。09年、同郷鹿児島出身の小田龍一が石川遼、今野康晴とのプレーオフを制してツアー初Vを飾った。中学3年で国体のメンバーにも入っていた稲森少年は、鹿児島市内で開催された祝勝会の席にも足を運んだという。「緊張はもちろんすると思いますし、今も若干しています。ワクワクもあります。大事なのはマネジメント。そこをしっかりしていきたい」。9年前のように、地元を歓喜で包みたい。