賞金ランクトップの今平周吾(26=フリー)が、伝説のウオーターショットを再現して優勝争いに急浮上した。最終18番パー5で08年に石川遼(27)がこの大会でプロ転向後初のツアー優勝を飾った際と同じ、池からのショットでバーディーを奪った。7バーディー、2ボギーの67で回り通算8アンダーの208で首位と4打差5位。2週連続優勝に近づいた。
迷わず池に足を入れた。最終18番パー5。今平の脳裏に、まだ埼玉栄の高校生だった10年前の記憶がよみがえる。自宅のテレビで見た光景。当時17歳の石川がウオーターショットからパーを拾い、プロ転向後初のツアー優勝を飾っていた。今も語り継がれる伝説のショット。同じ舞台、同じ場所から、今平はピンそば70センチにつけた。この日7つ目となるバーディーで通算8アンダー。優勝争いに食らいついた。
「(10年前は)感動したのを覚えています。球が半分くらい(水面から)出ていたので、それほど難しくはなかった。普通のバンカーと同じ感じでフェースを開いて手前から水ごと。イメージ通りの抵抗でした」
最後まで攻めた結果だった。前日まで首位と8打差20位。初の2週連続優勝には、スコアを伸ばし続けるしかなかった。大会名物の高速グリーンを攻略し10番で6メートル、13番では3メートルのバーディーパットを沈めた。18番でも逆風をものともせずフェアウエーからの残り209ヤードを、4番アイアンで果敢に2オンを狙った。傾斜に当たって池に転がったが、そこからのバーディー。運まで味方につけ、優勝の可能性を残した。
賞金ランクトップを走り、2位稲森とは約3347万円差ある。今大会の優勝賞金は3000万円。今季初優勝した前週のブリヂストン・オープンも最終日は一時首位と4打差あり、同じように大逆転で通算3勝目を飾れば、初の賞金王へ大きく前進する。「まだトップとは差がある。明日も攻めの気持ちでいきたい」。小柄で寡黙な26歳が目指す初の賞金王へ。まだ、伝説の年にする旅の途中だ。【益子浩一】

