プロ11年目の大城さつき(29=フリー)が、ツアー初優勝に王手をかけた。2位から出て4バーディー、1ボギーの69で回り、通算7アンダー。ペ・ソンウ(25=韓国)と並ぶ首位で17日の最終日を迎える。過去4度の優勝争いは、いずれもV逸。脳梗塞を患い、沖縄県内の病院で闘病中の父良雄さん(79)へ、悲願の初勝利を届ける決意だ。

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どうしても優勝を届けたい人がいる。首位で最終日を迎える大城は、故郷沖縄で闘病する父良雄さんを思った。「何度か優勝争いを見に来てくれている。会話はできないですけど、うなずいてはいるから、分かっていると思う」。脳梗塞で入院生活が続く父は、前日15日が79歳の誕生日だった。2位から出たこの日は9番パー4で5メートル、14番パー3では8メートルのバーディーパットを沈め首位に立った。

プロ生活11年は苦労の連続だった。初勝利に手をかけた11年6月のリゾートトラストは、最終日の18番で痛恨のダブルボギー。1打差で横峯さくらに優勝を譲った。14年11月の伊藤園レディースはプレーオフで敗れ、17年3月に地元であったダイキンオーキッドも第2日まで首位にいながら3位。1勝が遠く、折れそうな心を支えてくれたのは父だった。「本当に練習しかない。練習で自信をつけるんです」。大好きな父に贈る悲願の初勝利は目の前に迫っている。【益子浩一】