黄金世代のトップランナー、勝みなみ(20=明治安田生命)が大会コースレコードの62で回り、通算14アンダーの130で今季2勝目に王手をかけた。ボギーなしの1イーグル、8バーディーと爆発。2位で11アンダーの松田鈴英に3打差をつけた。26日の最終日は、3位で8アンダーの新垣比菜と、17年プロテスト合格の同期生3人が優勝を争う。

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黄金世代でも群を抜く実力を見せつけた。勝は前半4バーディーで8アンダーとして、松田と並び首位に立った。13番パー5のイーグルで松田を突き放すと、さらに独走態勢を固める。終盤16番から圧巻の3連続バーディー。62をマークし08年の諸見里、17年の岡山の大会コースレコード63をあっさり塗り替えた。

「今日は運がよかった。何をしてもうまくいった。今季1位かも」と会見では笑顔が弾けた。はた目には絶好調に見えたが「下半身が安定しない」と違いを感じながらプレーしていた。14番でアドレスに入ったときのボールとの距離が約1センチ近いことに気づき修正。そこからドライバーが正確性を増し、終盤のスコアアップにつなげた。

考え方が変わって、ゴルフが成長した。マネジャーの紹介で一昨年のオフには、メンタルの先生の元に通っていた。最初は意味が分からず「行って得があるのか」と疑心暗鬼に陥った。しかし、昨年の不調のときに過去に執着せず、今を楽しもうと考え方を変えた。「焦りが消えて、ゴルフが楽しくなった」という。

さらに、シーズン前にイ・ボミの専属トレーナーだった大迫伸二氏と契約。下半身の安定と上半身との連動のトレーニングで、ドライバーの飛距離を10ヤードもアップさせた。心と体がかみ合って、その実力が試合で十分に出せるようになった。最終日は、最終組で松田、新垣とのマッチアップ。同世代の優勝争いとなるが「人は人、自分は自分。自分が楽しくプレーできれば、私はいい」。一見無欲に聞こえるコメントの中に勝の進化が隠れている。【桝田朗】