首位から出た池田勇太(33=フリー)が、5バーディー、4ボギーの71をマークし、通算7アンダー、281で通算21勝目を挙げた。

この勝利で、青木功、片山晋呉と並び歴代2位タイとなる11年連続での優勝と歴史に名を刻んだ。

大会コースレコードの66を出した前日、同様に前半から好調だった。3番パー5で最初のバーディーを奪うとそこから4番パー3ではカラーから6メートルをねじ込み、5番パー4は、ピン手前3メートルを沈め、3連続バーディーでスコアを伸ばした。後半はボギーが先行し、17番パー3をボギーとすると2位で同組のチャン・キム(米国)がバーディーを奪い1打差に迫ってきた。勝負は18番に持ち越されたが、お互いがパーで上がり逃げ切った。

優勝後は、関係者が水の入ったペットボトルを手に近づくと、「本当にやるの?」と話したのを合図にウオーターシャワーを浴び祝福を受けた。「見ている人には楽しいけど、やっている方は苦しかった。ここ2、3試合で苦戦していたのでこの優勝は自分の中でも大きい」と笑顔を見せた。

「ジャンボパター」が勝利を呼び込んだ。今年、パットに悩んできたが、今年の国内初戦を終え、大学の先輩、正岡竜二からL字形のパターに替えてみたらと助言された。そこで、自ら25年前に購入したコレクションの1つ、ツアー通算94勝を挙げる尾崎将司がツアー90勝を挙げた時に記念にブリヂストンが発売したL字形のパターを引っ張りだしてきた。重さなどをカスタマイズして3戦前から使用し、新たな武器とした。「オリジナルで持っていたかったんだけどね。少しずつ調整して使っている。打ちやすい場所にボールが出やすい」と話した。

これで、上位4人に与えられる7月の全英オープンの出場権も手にし、5年連続8度目の出場を果たす。「メジャーは4つしかない限られた人しか出られない大会の1つ。海外に出たい気持ちは変わらない。その舞台で暴れられるようにしっかり準備したい」。ベテランが新たな相棒を手に世界に再び打って出る。