日本女子42年ぶりとなる悲願の海外メジャー優勝を目指した比嘉真美子(25=TOYO TIRE)は前半、わずかの差で崩れた。

首位と1打差3位から出た最終日。3番パー3で約3メートルのパーパットを外してボギーを打つと、6番パー3でも約4メートルのパーパットがわずかにそれた。首位を追う立場となり、パットがひと筋違う。わずかの差で優勝が遠ざかっていく。天を仰ぎ、ため息をついた。前半はバーディーなし、3ボギー。これが、世界の大舞台の難しさだった。

後半も出だしの10番パー4、13番パー4でボギーとし、通算1アンダーまでスコアを落とした。

だが、ほぼ逆転優勝の可能性が消滅した終盤で、ようやく意地を見せた。14番パー4でこの日最初のバーディーを奪うと、安堵(あんど)の表情を浮かべながら、小さくガッツポーズをした。見せ場は16番パー4。約10メートルの長いバーディーパットを沈めた。

重圧があったのだろうか。最終日は2バーディー、5ボギーの74で回り、通算3アンダーの5位。第2日まで単独首位を守りながら、最後の最後に崩れてしまった。

「今日のスコアが今の自分の力。ショット、アプローチ、パター、なかなか思うようにプレーできなかった。最後にようやくバーディーが来たけれど、もっと、上に行きたかったです。いいところがあるとすれば、最後まで頑張れたこと」

世界が注目した夕暮れの日曜日。日本女子として77年全米女子プロを制した樋口久子以来、42年ぶりの海外メジャー優勝は遠くに離れた。

「自分に足りないところがたくさんあった。でも、4日間を通じて、得るものはたくさんあった。ゴルフが楽しい。もっと、もっと、ゴルフが好きになりました。この熱い、熱を持ったまま、日本に戻ってプレーしたい。毎試合、優勝を目指します」

13年全英リコー女子オープンで7位、18年の全英で4位。今大会が海外メジャー3度目のトップ10入りだ。

夢は持ち越しになった。それでも、「HIGA」は世界へ、確かな足跡は残した。