日本最高峰のアマ女王を決める大会で、前代未聞の事件が起きた。

優勝を争った古江彩佳(19=JGAプレミアム会員)が、10番パー4をプレーしていた最中のこと。日本ゴルフ協会(JGA)の山中博史専務理事が運転し、竹田恆正会長を乗せていたカートが、選手のキャディーバッグを乗せたカートを無理やり追い越そうとして接触。古江の3Wが真っ二つに折れた。

最終組の古江は、当時、同組で優勝した西郷を4打差で追いかけていた。古江は「シャフトの真ん中あたりから、ヘッドカバーごと落ちていました。イライラを隠せなかった。(同専務理事は)気づかれなかったみたいで、カートで行ってしまい、時間なんか関係ないと思って、追いかけました。手も震えていました」と明かした。

たまたま、古江は自家用車に予備用の3Wを入れていたため、関係者が取りに行ってクラブを交換した。だが、使い慣れたクラブではなく、古江は「11番のセカンドで(交換した3Wを)使いましたけど、思い通りではなかった」と言い、プレーに大きな支障が出たという。

運転していた山中専務理事は「100%、私の不注意。彼女の気持ちを考えると、謝罪をしても、許してもらえるものではない。彼女の人生にとって、それが原因で優勝を逃してしまったのなら、とんでもないこと。謝って済む問題ではないと思っています」と謝罪した。

古江は同12アンダーで、5位に終わった。