AIG全英女子オープンを制した渋野日向子(20=RSK山陽放送)が、軽井沢での別荘購入をぶち上げた。

15日、凱旋(がいせん)2戦目となるNEC軽井沢72の前日プロアマ戦に参加した。国内随一の避暑地で全英の疲れも徐々に回復。その環境のとりこになった。新たな目標となった別荘購入のためにも、16日開幕する大会で、帰国後初勝利を目指す。

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体調が戻らず、低い声しか出ないが、しぶこ節は健在だ。

「学生時代から軽井沢の3文字にあこがれていて。ぜひ試合しないで帰りたいレベル。いい空気だし、別荘地なので、ここにいつかは別荘を建てて住みたい」

初めて訪れた軽井沢で、渋野は別荘への思いを打ち明けた。猛暑の日本の中で、過ごしやすい気候。さらに街中に点々とする別荘を目にして「外見だけで住みたいと思った。すごく静かに生きていけそうと思って。ずっとここにいたい」と感じたという。

国内ツアーの2勝に続き、メジャーの全英女子オープンを制したことで、すでに約1億5000万円超の賞金を稼いでいる。その賞金で自分のものを買ったのは、中京テレビ・ブリヂストン・レディース前にセリーヌの財布を購入しただけ。「次に考えているのが別荘。でも自分のものを買うより、周りのお世話になった方たちにまず恩返しをしたい。(別荘は)それをしてからかな」というのが、いかにも渋野らしい。

軽井沢の過ごしやすい気候で、体調も徐々に戻ってきた。「なかなか元気になれないが、かなり回復しています。先週が20~30としたら、今週は50ぐらい。全英のときはホームシックだったので70でした」と話した。

体調が整わなくても、渋野のゴルフには抜群の安定感がある。6月のニチレイ・レディースから続けている連続イーブン以上のラウンド数が現在21。全英女子を入れると25ラウンドも、オーバーパーを出していない。今回も「せきが結構出るが、ゴルフに支障はない。キレキレと言っていい。空回りしないようにしたい」と、ゴルフに関しては自信満々だ。

日本女子プロ協会は今週から渋野グッズとしてタオルを販売するなど、フィーバーが続く。目標については「しっかりと予選を通過してトップ争いができれば」と控えめに話すが、五輪出場、別荘と次々に出てくる夢に向かって、きっちりと優勝に照準を合わせている。【桝田朗】