7月の日本プロ選手権で3季ぶりに優勝した石川遼(27=CASIO)が、5アンダーで首位タイと自身初の2連勝へ好発進した。

上下黒の新ウエアを身にまとい7バーディー、2ボギーの67。ツアーのなかった1カ月半の間に磨いたショットを16番で駆使し、バーディーを奪い一気にトップに駆け上がった。

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2つ落として迎えた16番(パー3)。196ヤードで、通常なら8番アイアンを使うが、右からの強い風を考慮し、6番アイアンを選択した。風にぶつけるようにクラブを振り抜くと、ピン右2メートルにぴたりとつけた。バーディーを奪うと、息を吹き返し、18番からは4連続バーディーと調子を上げた。「全体的な評価が80点、90点なら、そのうちの8割が16番」と、キーに挙げた会心のショットに納得の表情だった。

1カ月半のツアー中断中に課題を克服した。石川は「アイアンを抑え気味に打つと、鋭角に球に入りやすいのでスライス回転が入りやすく、右手前にショートすることが多かった」と言う。その課題に対し、通常より大きい番手でも、力を抑えたショットでイメージ通りに球を運べる技術を身につけた。「試合で1回でもできれば自分にこれがあると思える」と手応えを口にした。

技術だけではなく、見た目でも新たな一面をのぞかせた。契約するキャロウェイが新たに展開する米国カリフォルニアのブランド「トラヴィスマシュー」の上下黒の新ウエア、さらにサンバイザーではなく帽子という今までにない、いでたちを披露した。「自分の中で新鮮。素材がストレスがない」と好感触。9月から日本で発売される新ブランドのプロモーションにもなり、「85くらいだったらメーカーの人に『服のせいじゃない』と言わないといけなかったからプレッシャーもあった」と笑った。

ゴルフ界は、AIG全英女子オープンを制した渋野日向子(RSK山陽放送)一色に染まっている。「渋野さんのこともあるのでいろんな見方をされる1週間。でも自分としてはやることは一緒。ぶれずにやっていくことが大事」と引き締めた。選手会長として男子ゴルフ界も盛り上げる。【松末守司】