18歳の安田祐香(大手前大1年)が日本人史上5人目となるアマチュアのツアー優勝を視界に捉えた。

4位から出て5バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの70で回り通算7アンダー。首位と1打差3位で最終日を迎える。同組で回った全英女王の渋野日向子(20=RSK山陽放送)に「プロテスト免除してあげて~」と言わしめた逸材が、最終組で優勝を争う。

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アマチュアの安田が全英女王の横でキレキレのパットを連発した。1番は11メートル、2番は6メートルを沈めていきなり連続バーディー。その後も「すごく調子が良い。外してもラインに乗って返しで入れている」と冷静に決め続けた。駄菓子をもぐもぐする先輩に対して、栄養満点のバナナをほおばってチャージ。14番まで5バーディー、ノーボギーだった。

だが潮目が変わった。3打リードで首位を独走していた15番。「ゴロゴロ」と鈍い音がなり、雷雲接近のため中断となった。2時間15分待って再開すると、約1メートルのパーパットを外す。続く16番は池ポチャでダブルボギーをたたいてしまった。「1回途切れてスタートホールみたいな感じ。もったいない」。リズムが崩れてしまい首位から3位に落ち「中断前は85点だけど全体通して50点」と厳しい自己評価。だが、十分に優勝を狙える位置でこの日はフィニッシュした。

しぶこの“お願い”をかなえる。安田はアマチュアながら今夏海外メジャーの全英女子オープン、エビアン選手権を2戦連続で予選突破した実力を持つ。前々週のNEC軽井沢でも一緒に回った渋野は「ぜひ、プロテストは免除してあげて~」。ラウンド中にもその話題になり、安田は「そう言われてうれしかった。実際にプロテストは受けたくない」と言う。

17年女子アマを制したため、今年のプロテストは1、2次が免除。今回優勝すれば11月の最終テストも免除となり、1発でプロ転向となる。最終日は歴代の賞金女王の鈴木、アン・ソンジュと同組だ。「自分は自分。3日間、良いプレーができているのでそのまま続けたい」。雷鳴の中断は与えられた厳しい試練。最終18ホールを終えて、そう思えるような結果を出す。【西塚祐司】