プロ3年目の比嘉一貴(24=フリー)が、東北福祉大の先輩、松山英樹(27=LEXUS)からのエールを糧に、ツアー初優勝を飾った。

単独首位から出て1イーグル、5バーディー、1ボギーの66でトップを堅持。大会記録を更新する通算26アンダーの262でツアー初勝利を挙げた。3試合連続Vを狙った石川遼(27=カシオ)は4バーディー、2ボギーの70と伸ばせず、13位に終わった。

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身長158センチのゴルファー、比嘉がビッグな記録でツアー初Vを果たした。第3日に続き18番パー5でイーグル締めだ。5メートルのパットを沈めると両手を突き上げガッツポーズ。水シャワーで祝福され、家族と抱きあい「泣くとは思っていなかったが家族を見て安心した」と男泣き。過去の通算22アンダーを大幅に塗り替えての優勝に「これを機に複数回、優勝し(20年東京)オリンピック(五輪)も目指して頑張りたい」と飛躍を誓った。

優勝の裏には、尊敬する先輩、米ツアー5勝の松山のゲキがあった。コースレコードタイ63を出した第2日の後、松山からLINE(ライン)で「ナイスプレー」と祝福。比嘉は「優勝しないと知らないぞというふうに聞こえた」と気を引き締めた。「僕が全力で走っても追いつけない存在。松山さんがいない試合で勝ててうれしい」と笑いながら、先輩に感謝した。

今後のツアー成績次第では、松山が出場予定の米ツアー、ZOZOチャンピオンシップ参戦も可能で、比嘉は「優勝がたまたまと思われないよう、早く2勝目を挙げたい。松山さんと同じステージに立てるよう、これからの数試合の間に優勝できたら」と、さらなる高みへ挑む。【菊川光一】