全英女王の渋野日向子(20=RSK山陽放送)が「億万長者」になる。

国内女子ゴルフのメジャー第2戦、日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯は、12日に兵庫・チェリーヒルズGCで開幕する。賞金ランク2位の渋野が単独5位以内に入れば、日本人最速23戦目で生涯獲得賞金1億円を突破する。ともに東京五輪に出場する可能性がある畑岡奈紗(20)も、単独2位以内なら国内17戦目で1億円を突破する。

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笑顔の裏にいつもは見せない闘志があった。18番横のテント内で開かれた会見。優勝の自信を問われた渋野は「ないわけではないです」と言い、こう続けた。

「私は初日はいつも出遅れる。でも(ラフの深い)このコースは出遅れたらもう無理ですから。1日たりとも油断は出来ない。初日からガツガツ行きたい」

現在賞金ランク2位の約9079万円で、単独5位(1000万円)以内なら年間獲得賞金1億円を突破する。本格参戦1年目で達成は04年宮里藍以来、日本人女子2人目。昨季は出場1試合で賞金0円のため、生涯獲得額では宮里藍の27戦目を抜き、日本人最速23戦目での到達になる。連続オーバーパーなしの記録は、13年アン・ソンジュ(韓国)と並ぶ28ラウンド(R)。第1Rを72以下で回れば単独トップに躍り出る。

「(72以下は)普通にやれば更新できる。1億円と言えば億万長者ですよね。頑張るしかない。賞金で買いたいのは冷蔵庫。いろんな物を頂いて、先週(副賞の)お肉が届いて入らん」

全英の優勝賞金67万5000ドル(約7425万円)を加算すれば、約1億6500万円にもなる。それでも庶民派なところが、渋野が愛される理由だろう。

「最近のぜいたくはアウトレットで服を買ったくらいかな。ジャージー、半そで、短パンがいいです」

国内メジャー2連勝なら09年諸見里しのぶ以来日本人10年ぶり。「(決勝Rで畑岡と)回りたい。私が頑張らないといけない」。記録をかけ、記憶に残る戦いに臨む。【益子浩一】