AIG全英女子オープンを制した渋野日向子(20=RSK山陽放送)は5バーディー、2ボギーの69で回り、3アンダーで8位発進した。

今季、第1日では最多となる7982人のギャラリーが集まる中、攻めの姿勢で4つあるパー5で3バーディーを奪うなど、好スタートを切った。申ジエ、李知姫の韓国勢が、大会コース記録の63で回り、9アンダーでトップに立った。

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「しぶこスマイル」が、大ギャラリーを包み込んだ。渋野は同じ黄金世代の原、新垣と同組でのラウンドで自分を取り戻した。時折、笑い声が響きわたり周囲を和ませながらも、プレーでは集中力を研ぎ澄ませる。前週に日本記録の29ラウンドオーバーパーなしの記録が途絶えたが、再スタートした大会で、5バーディーを奪って上々の滑り出し。「久しぶりに良い気分。楽しくできた。回るメンバーが良かったのが1番大きい」と笑った。

全英女子オープン後、取り巻く環境が大きく変わり、いつしか自分のゴルフを見失っていたが、この日は違う。4ホールあったパー5。3番こそ前方に木があり狙えなかったが、残り3ホールはすべて2オン狙い。5番は第2打をバンカーに入れたとはいえ、12、15番は2オンに成功。攻めの姿勢を貫いて、パー5で3つのバーディーを奪取した。「今日のプレーは周りから見ても結構、変わったかなと思います」と納得した。

しぶこフィーバーはとどまるところを知らない。この日のギャラリー7982人は、今大会の第1日の最多を更新し、今季の第1日の記録も前週の日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯を抜いて最多となった。「びっくりした。人、人、人で」と驚きを隠さないが「パワーになると思います」と歓迎する。

今大会優勝すれば獲得賞金が1億円に到達する。首位とは6打差だが「60台は絶対」と気持ちを強く持つ。らしさを取り戻した全英女王が、前を追う。【松末守司】