米ツアーメンバーの小平智(30=Admiral)が自己ベスト、及び大会コースレコードタイの62で通算13アンダーまでスコアを伸ばし、7打差33位から2打差3位に急浮上した。

先週の米ツアー共催ZOZOチャンピオンシップで同組で回った優勝者タイガー・ウッズに負けない“小平チャージ”。7年連続のツアーVとなる通算8勝目を視界に入れた。

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猛チャージ以外の言葉がない、小平の快進撃だ。驚異的な62を「何もかも良かった。ドライバーが安定して、アイアンもよくて、パットも長いのが入った」と振り返った。

アウト第1組、通算3アンダーの33位で滑り出し、最終組が1番ティーから出る時、すぐ隣の9番グリーンで6個目のバーディーを奪った。その時点で9アンダー、首位岩田らと1打差まで接近した。圧巻は15番パー5。軽いアゲンスト。ピンまで残り265ヤードを3番ウッドで左4メートルに2オンさせた。直前までパーが4個続き、流れが止まりかけた中でのイーグル奪取。再加速し、上がり2連続バーディーにつなげた。

前日の第2ラウンド(R)は3連続ボギースタートで通算2オーバー。予選落ちの危機から、目を覚ました。前週ZOZOチャンピオンシップの前半2Rでウッズと同組だった“効果”を問われ「あります」と即答した。ウッズは第1Rの出だし3連続ボギーから完全優勝を手にした。

「3ボギーから9個バーディー取るのを見ましたから。諦めない。集中する。見習わなきゃいけないと思った。このスコアがタイガーのおかげというのは、あるんじゃないですかね」

今大会は当初出るつもりがなく、週初めに急きょエントリー。ウッズ効果などで感じた調子の上昇を、より確かなものにしたかった。「優勝しに来てますから。でも、いい位置だし、いつも以上の気持ちでいきます」。開幕前と同じセリフ。ウッズ同様諦めず、優勝する。【加藤裕一】

◆大会コースレコード 小平の62は、06年大会の片山晋呉、14年大会の小田龍一に並ぶ3人目。片山、小田とも最終Rで出し、優勝した。ただ両大会ともパー71でアンダーパーは9。18ホール最多アンダーパーで見れば、今大会の小平の10アンダーは新記録になる。