47位から出たAIG全英女子オープン覇者の渋野日向子(20=RSK山陽放送)は、6バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの69で回り通算3アンダー、285で39位にとどまり、米ツアー2連勝を逃した。日本と違う芝質に苦戦しながらも最終日にスコアを伸ばすなど、4日間で成長の跡を示した。ネリー・コルダ(米国)が3人のプレーオフを制し、連覇を果たした。

渋野がまた1つ階段を上った。前日までは日本とは違う芝に苦慮していたが、1番で3メートルのバーディーパットを決め、2番で連続バーディー。2オンした4番ではピン下5メートルを沈めた。5番のダブルボギーの後、6番で2メートル、8番で30センチを沈め、難関グリーンを克服し39位と順位を上げた。「4日間を通してはごずってん(50点)」と辛口評価も「一番収穫あった」と手応えを話した。

ショットでも成長の跡をみせた。強風の影響で2日間ともに右に大きく曲げた15番ティーショットを、短く刈り込まれたフェアウエーの脇に置き「15番イップス」を克服。18番では、バンカーから打った第3打がグリーンをオーバーして観客席の下の壁に当たったが、第5打でグリーン外から残り10ヤードを絶妙なアプローチでチップインを決めパーで乗り切った。世界の洗礼を受けながらも、失敗から学び大会期間中でも、打ち方に工夫を施すなどして新たな技を習得した。「風用の低い打ち方も次に生きる」。

国内ツアーの三菱電機レディースでは、申ジエ(韓国)が2位に入るなど、賞金女王争いで差を広げられた。「残り4戦で優勝、優勝、優勝くらいじゃないと。アプローチでバリエーションが増えたしもっとましなゴルフがみせられる」。世界で得た経験を糧に女王の座を引き寄せる。【松末守司】