鈴木愛(25=セールスフォース)が、史上2人目の3週連続優勝で、今季7勝目、通算16勝目を挙げた。

賞金女王を争う申ジエ(韓国)に1打差3位から出て、5バーディー、ノーボギーの67で回り、通算14アンダーの202で逆転優勝。獲得賞金も1億4400万円を超え、申を逆転して首位に浮上。17年以来の賞金女王へ前進した。

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最終18番で鈴木は2・5メートルのバーディーパットを決めきった。13アンダーで並び先にプレーを終えていたのは大の仲良しの大山。「今まで賞金女王も取っているし、昨日一緒に回って調子も良かった。多分、(プレーオフで)一緒に回ったらやられるし、これで勝って、ちょっと気まずくなりたくない」と気力で決めた。ツアー18勝の大山を、鈴木の勢いが上回った。

2週前の樋口久子・三菱電機レディースから3週連続優勝。07年の全美貞(韓国)以来、日本人では初めての3週連続V。「優勝はねらっていたが本当にできるとは思わなかった。ビックリしていて、あまり実感ないです」と鈴木は笑顔で話した。

初日から首位を守っての2週連続完全Vの勢いを持って臨んだ今大会。最終日は前半の5番で池ポチャを絶妙なアプローチでしのぐなど、苦境を乗り越えながらバーディーを重ねた。左手親指や手首痛で、4大会連続欠場。実は「病名は言えないけど、ずっとおなかが痛くて医者からは薬では抑えられない、手術しかないと言われていた」と明かした。復帰してからも、脂肪やタンパク質の摂取を制限され、2キロもやせた。今大会も夕食は3日連続うどんを食べただけだった。

「大好きなお肉が食べられないのはストレス」と良いながら、三菱、今大会と世界で50勝以上の申ジエに競り勝った。昨年は、後半に失速して賞金女王を逃したが、今年は後半に4勝。15年、年間7勝を挙げたイ・ボミを目の当たりにして「年間7勝って、うますぎるやろ」と驚嘆した7勝を自分の手でつかみ取った。

三菱電機レディースで勝ったときは、まだ3000万円近く開いていた申ジエとの賞金差を、一気に逆転。17年以来、2度目の賞金女王も見えてきた。前回取ったときは「1回賞金女王を取って、次の年に取れる選手が本当に強い選手」と18年もねらったが、かなわなかった。残り2試合。「私の目標の1番は賞金女王。相手が申ジエさんなので油断できないが、初めて取るぐらいの気持ちで頑張りたい」と闘志をかきたてていた。【桝田朗】