ツアー最多94勝を誇る尾崎将司(72=I・S・T)が、12ホール終了時点で腰痛のため棄権し、19年シーズンを終えた。

来季は試合を厳選して出場する構想を持ち現役続行の方向で動いているが、今季の出場は7戦で予選通過はゼロ。「電撃発表で終わりって言うことだって」と弱気な発言も飛び出した。賞金ランキング1位の今平周吾が6アンダーの65で日本勢トップの2位。松山英樹は5アンダーの66で3位につけた。

   ◇   ◇   ◇

尾崎は今季最終戦も完走することはできなかった。後半に入り迎えた3番パー3を終えた時点で腰痛のため、棄権した。来週のカシオワールドオープン(28日開幕、高知)には登録していないため、19年の出場は今大会がラスト。今季は7戦に出場し、途中棄権が5度、予選落ち2度と、結果には結びつかなかった。「今の体調とか本当に良くないけど、スポーツ選手としての体力、10あるとしたら1くらいしかない。何とも言えないふがいなさ」と今季を振り返った。

来季へのビジョンを明かした。持病の腰痛を抱えるなど近年は、常にケガとの闘い。思うような調整ができないもどかしさを抱えている。それを踏まえ「相当試合を絞って出る。春先の(中日)クラウンズ、秋口の全日空(ANAオープン)、フェニックス(今大会)、この3試合は出ようかと思っている。出るなら準備を1カ月くらいかけて、もう最後の覚悟。そういうものを自分で持たないと無理」と現役続行への思いを口にした。

ただ、心は揺れている。今大会は46年連続出場。長きにわたり第一線で活躍してきたプライドが、今の自分を受け入れられないでいるのも事実。自身を支え続けた競技への思いも薄らいでいるのを感じ、寂しさも募らせている。「自分のモチベーションだったゴルフしかない、ゴルフが好きという2点がだいぶ曇っている。電撃発表で終わりって言うことだってあり得る」と衝撃発言も飛びだした。ゴルフ界に君臨し続けた巨星が、大きな岐路に立っていることは間違いない。【松末守司】