大江俊紀(46=推薦)と颯(21=近大)の親子ペアが5アンダー、67の好スコアで首位発進した。厳しい冷え込みでアンダーパーは3組だけという難コンディションの中、颯が後半10番パー5(520ヤード)でチップインイーグルを奪い、同じ近大卒でかつてプロを目指した俊紀が終盤7、8番で連続バーディー。ビッグスコアをたたき出した。69を出した高田弘司・濱田光邦(ともに奈良ロイヤル)が2位につけた。

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冷たいアゲンストを、颯の強い球が突き破る。後半スタートの10番パー5。ピンまで残り250ヤードの第2打を3番ウッドでグリーン手前に運び、30ヤードのアプローチをカップに沈めた。近大3年で将来ツアープロを夢見る颯が「キャリーを20ヤード出して、10ヤード転がして」と言うイーグルに、父俊紀もうれしそうだ。

親子でゴルフをする。「それです。それが楽しみで」という父も、近大ゴルフ部出身だ。同学年には片山晋呉、宮本勝昌、横尾要の“日大三羽がらす”がいた。「彼らの前後で回ったこともあるんです。彼らは僕を知りませんけどね」。研修生をしてプロを目指し、30歳で断念。以後は社会人として仕事絡みのコンペに出る程度だったが、颯が近大に入り、本気でゴルフをする姿を見て「一緒にやろうか」と、昨年からダブルスを組み始めた。

颯は高校まで“帰宅部”で、中途半端なジュニアゴルファーだったが、大学進学を機に腹を決めた。「僕にはゴルフしかない。おやじの果たせなかった夢をかなえたい」とツアープロを目指すようになった。

300ヤード級のドライバーショットを誇る颯だが、ベストスコアは71。俊紀は「昨年からかなり成長しましたが、それでも“何で?”と思うプレーは多い。まだ型がない」と指摘する。颯も「僕はジャッジ、マネジメントのミスが多い。おやじから学ぶのは技術より、そのあたりです」と自覚。初の親子タイトルとなれば、2人の夢への弾みにもなる。【加藤裕一】

◆大江俊紀(おおえ・としき)颯(はやて) 俊紀が1973年(昭48)2月8日、颯が98年(平10)7月3日、いずれも大阪・高槻市生まれ。俊紀は幼少時からゴルフを始め、近大で日本学生などに出場。現在、不動産・建築会社勤務。181センチ。颯は祖父の影響で3歳からゴルフを始める。追手門学院高まで“帰宅部”だったが、一般入試で入った近大でゴルフを本格的に再開。179センチ、90キロ。

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