大江俊紀(46=推薦)と颯(21=近大)の親子ペアが通算9アンダー、135で初優勝を飾った。同組で回り、3位となった高田弘司・浜田光邦組の粘り強さに重圧を感じながら、2日連続の60台の68をマークした。

長男颯は来年、QTに挑戦してプロを目指す予定で弾みになるV。かつてプロを目指した父俊紀にとっては息子と喜びを分かちあう思い出深いVとなった。木ノ下誠司・大島英晃組がこの日のベストスコアを出し、2位になった。

   ◇   ◇   ◇

大江親子にはドキドキの1日となった。2番パー3で、互いをカバーを仕切れずにボギー。長男颯は「正直、あそこでもう“ヤバイ”と思った」。同組で回る高田・浜田組に1打差に迫られ、オナーも譲り、ずっと後ろを歩いた。10番のバーディー、11番のナイスパー、12番のバーディーと後半の出だし3ホールで流れを引き寄せたが、父俊紀は「油断したらあかん」と息子に言い続けた。

颯は父の母校近大に進み、父が夢見たプロゴルファーを目指す。4年になる来年、国内ツアーのQTする予定だ。颯は「焦っています」という。京滋、近畿、奈良オープンなどである程度手応えは残したが、学生タイトルはない。ショットに自信は出てきたが、ショートゲームなどスコアメークの力不足を自覚。父の知人を頼って単身タイに渡り、合宿を計画している。

父俊紀も颯について「もっともっと考えてプレーしてほしい。もったいない部分が多すぎるんです」とウイークポイントを指摘しつつ「プレッシャーはかけたくないんですが…」と不安そうだ。

しかし、追い詰められ、我慢して逃げ切ったことは財産だ。颯は「父は大ミスをしない。飛距離もある程度出る。その上で小技がめちゃくちゃうまい。一緒にプレーして、すごく頼もしかった」と話した。自分に足りないものを、再認識した。「本当にうれしい」と親子で口をそろえた優勝。2人の夢実現へ、2人は弾みにしたいと思っている。【加藤裕一】

◆大江俊紀(おおえ・としき=1973年2月8日)颯(はやて=98年7月3日) ともに大阪・高槻市生まれ。俊紀は幼少時からゴルフを始め、近大で日本学生などに出場。現在、不動産・建築会社勤務。181センチ。颯は祖父の影響で3歳からゴルフを始める。追手門学院高まで“帰宅部”だったが、一般入試で入った近大で本格的にゴルフを再開。179センチ、90キロ。