日本ゴルフツアー機構(JGTO)は24日、都内で来季日程と開催要項を発表した。10月に初開催し、賞金総額975万ドル(約10億7250万円)、タイガー・ウッズの優勝で盛り上がったZOZOチャンピオンシップは、来季も米ツアーと共催するが、JGTOの来季日程には組み込まれず、賞金加算対象から外れた。

極端に高額な賞金を日本人選手が手にした場合、賞金王争いが事実上、決着しかねないため、終盤戦のスポンサーらに配慮した。

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来季のJGTO開催日程一覧に「ZOZOチャンピオンシップ」の大会名はなかった。日米ツアーが来季も共催することは決まったが、賞金加算対象大会から外れた。ウッズが米ツアー歴代最多に並ぶ82勝目を挙げ、初開催でゴルフ史に名が残った大会。だが賞金は総額で約10億7300万円、優勝は1億9300万円という他の大会の約10倍。突出して高額な賞金が、シーズンを通じた賞金王争いにおいては、ファンの興味を失わせかねないと判断した。

JGTO競技運営部の浦山部長は「巨額の賞金であり、日本人が優勝すると、それ以降も大会はありますが、賞金王争いがほぼ決まってしまう」と説明した。選手からも意見を募り、ZOZOチャンピオンシップ以降に開催する大会のスポンサーにも配慮し「総合的に判断した」(浦山部長)という。同大会は今年、2週前に行われるブリヂストン・オープンまでの賞金ランキング上位など、日本人選手13人に出場資格があったが来季も同様。出場資格が限られた中、賞金王争いが事実上、決定してしまうことも賞金加算対象から外れる要因となった。

大会は来年10月22~25日の4日間で開催することが決まっている。浦山部長は「その週に別の大会は入れないという契約になっている」と、米ツアーと交わした契約内容を明かした。JGTOは大会運営に関わり、賞金王を争うトッププロが出場しながら、来季日程から除外。ZOZOチャンピオンシップを日本人選手が制した場合、実際の来季獲得賞金最高の選手が、賞金王ではないという特殊な現象が起きる可能性がある。

冠スポンサーのZOZOは「いろいろなご意見があるとは思いますが、弊社としては純粋に、世界中の選手やゴルフファンの皆さんに楽しんでいただけるような最高の環境を提供できるよう、来年度も取り組みたい」とコメントするなど、JGTOの決定を受け入れている。来季の大会数はZOZOチャンピオンシップを含めて2減だが、2増で変わらず25試合を実施する。

◆19年のZOZOチャンピオンシップ 国内通販王手ZOZO(ゾゾ)がスポンサーとなり、日本初開催の米PGA公式戦として日本ゴルフツアー機構との共催で開催された大会。千葉・習志野のアコーディア・ゴルフ習志野CCで10月24日から開催された。賞金総額は975万ドル(約10億7300万円)で優勝賞金は175万5000ドル(約1億9300万円)。出場資格はPGAの賞金ランク60位までと、国内ツアー賞金ランク7位以上など18人を加えた78人で予選なし。日本ツアー出場選手が優勝した場合、この大会だけで賞金王が決まる可能性があることから、日本ツアーへの賞金ランク加算額が50%に減額された。タイガー・ウッズが優勝し、PGA最多タイの82勝目を挙げた。

◆来季のZOZOチャンピオンシップ 10月22~25日に、日米のツアー機構が共催で実施予定。日本人は今年と同様、2週間前に行われるブリヂストン・オープン終了時点の来季賞金ランキング上位など、13人に出場権が与えられる予定。